197 懸念
昼食後、ヘンデルは馬車に乗る者について、クオンに確認した。
「第四王子を引き取ろうか?」
「午後もこのままでいい」
クオンの言葉に、ヘンデルは眉をひそめた。
「別に無理しなくていいよ? 諫めるのは大変でしょ?」
「弟たちらしい意見が多く出た。仲良くしている」
後宮、国王、新離宮への悪口については、兄弟全員の足並みがそろっていた。
「あれ?」
ヘンデルはわざとらしく耳を触る。
「今、空耳が聞こえたかも?」
「空耳ではない。うまくやっているということだ。何も心配する必要はない」
「……やっぱりクオンは最強だなあ」
「ウェイゼリックまではこのままでいい。そっちの馬車はどうだ?」
「今の時点では特にないかな。俺が一人でペラペラ話して、時々パスカルが加わる感じ」
「女性たちはどうだ? くつろげないのではないか?」
ヘンデルはにやりとした。
「リーナちゃんのことが気になる?」
「私が聞いたのは女性たちのことだ。二名いる」
「大丈夫。二人とも勉強家だから」
「リーナにはあまり情報を与えないようにしろ。ミレニアスと約束している」
「はいはい。わかっているから」
ヘンデルが笑みを浮かべる。
クオンは疑うような眼差しを向けたが、それ以上は何も言わなかった。
改稿で大幅に文字数が減ってしまいました。
すみません。





