182 視察
いつもお読みいただきありがとうございます。
こちらの話は改稿によって一気に短くなってしまいました。
再度改稿する可能性がないとは言えないため、文字数が相当少なくなっても一話分として残しておくことにしました。
よろしくお願いいたします。
第二組は到着日の翌日を休養日にした。
それは強行軍で疲れたものたちが心身共に回復するためだったが、クオンは強行軍の移動にも最低限の宿泊状況にも耐えられる精神的な強さがあった。
何年も執務室に籠るような生活をしていただけに、外出して馬を早駆けさせたことに喜んでいた。
「レールス市街を少人数で視察できないか?」
「そう言うと思った」
ヘンデルは苦笑しながらクロイゼルの方を見た。
「だよね?」
「すぐに護衛と案内役を選定します」
クオンはクロイゼルを始めとした少数の護衛を伴ってレールス市街へ向かった。
要塞の周囲を取り巻く石壁、街道、中央広場に続き、庶民の台所である朝市も視察した。
「朝市はかなりの規模ではないか? レールスが大都市だからだろうか?」
「そうだね。ミレニアスから輸入される物資もあるし、国境地帯においては豊かだと思うよ」
ヘンデルが答えた。
「国境地帯の治安が悪いと聞いたが、物流や経済活に支障は出ていないのか?」
「犯罪率の増加は聞いている。大都市になるほど増えるのは仕方がない。問題なのは、小さな村や町に出没する強盗団の方だったはず」
「レールスの経済に関するような視察をもう少ししたい」
「では、商店街の方にご案内いたします」
王太子一行は商店街を視察することになった。





