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意気込みだけの集団  作者: TEXTER
1章 夜の学校
6/13

難航

中々書き進まない……

僕たちは、扉の開く音を緊張の面持ちで聞いた。

すぐに入って(出て?)くる用務員さん。


こちらからは用務員さんが何をしているのかはわからないが、懐中電灯で、まるで地面のアリを見つけ出すような手つきで、ゆっくりと屋上の少ない死角を調べていく。

なぜか積んであった木箱、縄を括り付けて壁に隠れられそうな鉄の柵、等。

無論、階段のあるでっぱりの後ろ側は、格好の死角である。用務員さんは、一通り目の前を探し終えると、こちらに歩いてきた。


「(来たぞ…見つからないように、用務員さんと常に反対側になるように歩くんだ)」

得田部長のいうことを聞き、用務員さんの足音に耳を傾ける。徐々に迫る恐怖に打ち勝ちながら、ゆっくりと反対側に移動した。


しかし、去年も見つかっているのに、先生方の対応がこんなもので終わるはずもなかった。

もう一人先生が来たのだ。


足の速い、体育科の先生。なぜ呼ばれたかは分かるが、こんな時間までご苦労様ですとしか言いようがない。

僕たちは、挟み撃ちにあった。

しかし、先輩は奇想天外、いや無謀な作戦に出た。


得田部長は鉄の柵を乗り越え、壁に伝うイメージで落ちていった。

すぐさま後を追う江田副部長。

一瞬のことで頭が回らなかった。


しかし、作戦に乗らないと見つかってしまうので、僕も後に続き、見事すぐ下の階の窓に手を引っかけることに成功した。命がけすぎる。

僕は次に上田が降りてくる事を想定し、急いで部屋の中へ。


そこには、早くもくつろぎ始めた先輩2人が笑顔でお茶を飲んでいた。

「いや、よくやった。これはなかなか思いつかない」

得田部長が迎えてくれたが、落ちそうになったら手を差し伸べるとか、そういう準備をしておいてほしいものである。


ともあれ、上田も降りてきたし、これで一件落着だ。あとは、ここを先生が通り過ぎるのをやり過ごせばいい。

そこまで考えたとき、先輩の座っている位置が廊下からは見えない位置である事に気が付いた。

何気に気を使っていたのか…案外頭いいんだな。


上から声が聞こえてくる:

「あり?今夜、挑戦部とやらがいると聞いたのだが」

「いませんね」

情報筒抜けじゃねぇか!


ともあれ、江田副部長が見るからに安心しきった表情で部屋の電気をつけたのは、それから30分後のことであった。

3月中は更新が若干多くなります

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