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意気込みだけの集団  作者: TEXTER
1章 夜の学校
5/13

2度目の回避策

お久しぶりです

弁当を食べ終え、普段であればテレビを見ながら家族とワイワイと話すか、パソコンに向かい掲示板やSNSに没頭する時刻になった。

あたりはすっかり暗くなり、点々と設置されている街灯が申し訳程度に住宅街を照らしている。

校内は、ここと職員室以外の明かりが消え、消防用の赤いランプが際立つ。


4人は思い思いの方法でくつろいでいたが、少しでも不審な物音があればすぐに連携プレイで明かりを消し、窓から見えないように伏せた。これを1時間で10回くらい繰り返し、やがて午後8時になった。


すると得田部長がゆっくりと立ち上がった。それを見て江田副部長もおもむろに立ち上がるが、副部長はなぜか浮かない顔をしていた。

いや、不思議がっているといえば正しいか。


「どうしたのですか先輩」

尋ねてみると、副部長は「いやわからん」と首を振った。部長が間髪入れずに代弁してくれた。

「去年やった時にはこの2度目の見回りに見つかってね…いろいろと面倒だから、先にまた屋上に避難しなければなるまい。

ただ、今回の夜の見回りは屋上まで見るらしいから、スキルがないと避けられない」

「スキルって?」

「単なる回避テクからRPGライクなチートスキル持ってるやつもいるが、何でもいい」

先輩も去年のことがあったので、緊張しているようだ。


僕たちは見回りが来ないうちに屋上に上がった。吹き抜ける風はこの季節でもひんやりとして肌寒い。

見上げると雲がたくさん出ていて、その垣間に星が瞬いている。


何もない、ただのだだっ広い屋上である。

僕たちは定番手段として、ドアのある所の反対側に身を潜めた。幼稚ではあるが、事実見回りの人とタイミングを合わせて回るのが一番簡単な方法だ。


「先輩、見回りの話は本当ですか?来ませんが」

「油断大敵。きっと敵はそこにいる」

得田部長は名言チックなことを言ったが、本人は過剰なくらい緊張している。そんなに注意しなくともいいじゃないですか先輩。


緊張感の走る中、風の音しか聞こえない状況は一瞬だけ破られた。

「職員室のドアの音に違いない…」


それからはみんなの緊張感がMAXになった。風の吹き抜ける音は脳内にもう入ってこない。ドアを開ける音や歩く音、果てには懐中電灯の中で動く乾電池の音まで聞こえてくる。

そして、最初の音から1分半。次第に足音が大きくなり、すぐ下からドアの開ける音がする。

階段を上る軽快な音が、本来なら誰もいないはずの校舎に鳴り響く。屋上特有の金属扉に手をかけ、――


すぐそばで、金属音が鳴った。

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