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文学

お久しぶりです。

失踪なんてしないのでご安心を(二度目

「本を読もう!」

もう誰も驚かなかったが、新入生の僕らさえ「またか」と思ってしまった。


無論その言葉を投げたのは他でもない部長、得田先輩。

今回はどうしたんだろう。と凄く聞いてみたくなるが、何故か聞いたら負けな気がして声に出さない。

他の2人も手元の本に目を落としたままで、まるで聞こえなかったかのような対応。これでいいのか。


それにしても、本を読もうとは…得田部長から聞くことのない言葉の一つだ…

本当にどうかしたのだろうか?


そんな僕らにはお構いなく、返事の一つどころかリアクション1つなかったことに若干苦笑いを浮かべてから、もう一度、今度はちゃんとした文章で話した。

「部室に在る本じゃなくて、ちゃんと図書室で借りて読もう!」

何が目的かは不明だが、とりあえずやりたいことは分かったので顔をあげる。

…僕だけか…反応したの…


なんとも寂しい部活だ。

何やってるかわからないし、人数少ないし、部員はほとんど変人だし…

ちなみに自分は含まれない予定。




結局、部長が「腹パン入れながら肩を揺する」という強引な説得に出て、2人は渋々立ち上がった。

しょうがないよ、部長さんだもん。


なんの本読んでたんだろう…とちょっと気になりつつも、それに視線を向けないようにして部室を出る。

図書室にはめったに行かないので場所がわからないが、きっと部長さんが案内してくれるだろう。


なので、今部長が生活のしおりというか入学生向けの冊子を手に持って覗き込んでいるのはきっと気のせいであろう。

…大丈夫かな…




暫くして。

まあ地図を見ながらなので、なんとか、本当になんとかたどり着いた。大規模校でもないのに、何処に迷う要素があるのか…


まあ僕も入ったことがないので、あまり偉そうなことは言えないのだが、そこは気にしないことにしてほしい。

とにかく、図書室についた。


入学式の日に見たかな?というおぼろげな記憶が蘇る。相も変わらずの図書室だ。

ただ僕には、本が並んでいるという以外の感想を持つことができない。


本を読まないわけじゃない。本を選んで読むことがないのだ。


という訳で、僕ら4人は図書委員を除いて誰もいない図書室で適当な本を読み始めた。

本棚の上に座る先輩の姿には閉口したが、それ以外には何も気にするところがない。


…普段読んでる本とどう違うのか、あまり分からないラインナップだったが。


しかし、うちの図書室は他に比べて広かった。いや、比較対象がないので具体的には分からないが、広いほうだと思う。うちの部室より本あるし。いろんなジャンルだし。

中には、図書室にはないジャンルが部室にあったりする。危ない本でないことを願う。


図書室は静まり返っていた。


別作品にやる気を吸い取られてる感

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