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意気込みだけの集団  作者: TEXTER
2章 暗闇の山
10/13

深淵の海

ネタが尽きてくる今日この頃、なのです。

「じゃぁ、支度しろー!」

部長の声が響き渡る今日この頃。今日もすばらしい青空だ。

無論ここは挑戦部の部室。この狭い教室内で大声を出されると迷惑である。

しかし、今日は部長にも声を張り上げる訳があった。

少し暑くなってきたこの頃、突然部長が「海に行こう!」と言い出したのである。

ああ、またかとスルーしたのは言うまでもない。というか慣れ始めた僕自身が怖くて仕方が無い。

副部長は今回のりのりだ。上田は…苦笑いだった。

いよいよこの部のおかしさに気がついたのかもしれない。最初からそうであったが、なんだかエスカレートを続けている気がする。気をつけたほうが身のためであろう。

とにかく決まったことは仕方ない。僕は決定事項はいかなる矛盾があろうと実行するタイプだ。いろいろ失った感じは気にしない。

海に行く。



海といっても、ここから一番近い海でも車で1時間かかる。とてもじゃないが、歩いていけるような距離ではない…と思っていた時期が僕にもありました。

まさかの徒歩。何時間かかるのか、わざわざ測定してくれた先人はいない。

未知数すぎて怖い。

それならやめればいいじゃないか、と思うこともあるだろう。

僕は諦めないのだ。簡単には。

というわけで歩き始める。部長は、なにかしまった、という感じの顔をしている。副部長はのんきだ。

僕は、携帯の、全然進まないナビを見ながら、ため息をついた。

いつ海に着くのだろうか。分からない。

僕らはただ歩き続けた。海を目指して。

周りの景色は少しずつ移り変わる。

時々通りかかる大通りが明るい。住宅街が暗い。

明るいと暗いを通り過ぎる。見覚えの無い景色に達しても、日が暮れてきても、海はまだまだ見えない。

また、森のときのようになりそうだ。空には既に一番星が輝き、急かすようにその高度を上げる。

僕たちはついに急ぎ足になった。走り出した。

もうすぐ日の光が沈む。オレンジ色はまもなく地平線の向こうへ隠れる。

空の色が移ろってゆく。

時間経過の波が僕らの心を追い詰める。

息が荒くなる。

しかし止まらないメンバー。

果たして彼らは海に着けるのかっ?……



結論。

海に着いた。

時刻は既に午後10時。深夜と呼ぶ人もいるのではないだろうか。

僕たちは再び達成感に包まれ、万歳三唱して近所迷惑に祝いあった。

空は雲がかかってきており、満月は隠されようとしている。

僕たちはしばらく喜び合ったあと、静かになった。

さて帰ろうと足を家の方向に向けた瞬間、部長からの一言。

「じゃぁ、向こうまで行ってみるか」

僕たちはフリーズした。


景色の変わらない所の表現が雑ですね。

もう少し丁寧に書きます。

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