ちょっと激しい勧誘通り
どうも、TEXTERです。初投稿なので、パソコンの前で緊張してます…
どなたでも読みやすいように、五月蝿いなどの非常用表現はなるべく避けることとします。
「…………」
僕は、目の前に広がる光景に、ただボーっとしていた。
人、人、人。
東京のラッシュや京都の有名なお祭りに行ったことがある僕にとっては、まだマシな方なのだが、1学年3クラスくらいの規模の高校ではなかなか見かけない混雑である。
「テニス部、やってみないかい?」
「サッカー楽しいぜ!」
それぞれは必死の勧誘をしているが、周囲がうるさすぎてその実近くまで寄って行かないと聞こえない。
だから僕は、もうはじめから聞かない。部のイメージだけで決めることにした。
偏見にも程がある、と突っ込みたくなるだろうが、この状況に身を置かれたら10人中7人はそうするだろう。
混み合った通りを抜ける。この先に部活動紹介のパネルがあったはずだ。それを見て決めればいい、そう思い、必死で向こう岸に辿りついた。本当に向こう岸という表現がぴったりな人混みであった。
そこには部活動紹介パネルが、淡々とした感じで並んでいた。というか、ああいう勧誘をするのなら、このパネル必要ないんじゃないかと思う。今、実際のところ、ここにいるのは僕と知らない女の子(可愛い)だけである。
話しかける勇気はないので、流れ作業が如く順番にパネルを見て回り、ふーんなるほどと脳内で静かに議論していると、背後から何者かの気配を感じて振り返った。すると、先ほどいた子ではない、別な女の子(こちらも可愛い)がいた。
「ほぉ。あたしの気配を察知するとは、おぬし、やるな。」
……いろいろ突っ込みたかったが、僕の勘が警報を鳴らしていたので、ゆっくり後ろに足を踏み出し、中学校時代、校舎内鬼ごっこで鍛えた回転能力を使ってこの場から―――――――
「っていだだだだ!!」
思いっきり足を踏まれ、能力の一つも発揮できずに悶える僕。いや、うずくまっているだけだけれども。
「あ。予想外に貧弱か。これは、うちで鍛えなければな。」
彼女は、僕に向かってほんのわずかにほくそ笑んだ。そして、次の瞬間、僕の意識は遠のいて行った…
◆
「はっ!」
僕は知らない部屋で目が覚めた。あまり橙色がかっていない夕日が差し込んでいる。今は大体4時ぐらいか。
周囲を観察する。横にパネルを見に行った時の知らない女の子(喋ってない方)が寝ている。窓は夕日から見て西側か。
それ以外の窓はなく、僕が寝かされていた面がプリントなどのたくさん貼られただけのただの壁で、古いがよく掃除されているようだ。
窓の反対側は本棚となっていて、ラノベだったり、法律の本だったり、ジャンルがばらばらな本たちが順番もばらばらで並べられている。
そして、目の前に、見知らぬ男と先ほど僕の足を踏んできた女の子が仁王立ちしていた。どこぞのヒーローみたいだ。
「目が覚めるのが遅いじゃないか、キミ」
男のほうが話しかけてきた。やけに上から目線だが、この人は曲がりなりにも先輩なのだろう。学園生活に慣れているような制服の着こなし方と、若干よれよれになっているベルトからわかる。
そして、女の子のほうはというと、
「目が覚めるのが遅いじゃないか、キミ」
―言ってることが一言一句違わず2度目なんですけど!
僕は脳内ツッコミをかましたが、とにかく、こんな時間なので、さっさと帰らなければ。
拘束は一切されていないようなので、僕は立ちあがって、扉に向かって歩き―――――
「いだだだだっ!!」
…また足を踏まれた。
1話目にして、何のために書いているのか分からなくなりました…
更新は、学業の関係で1カ月1作が最高スピードですし、設定と展開がともに突拍子もない方向に飛ぶかもしれませんが、読んでくだされば幸いです。