表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/21

沢山の気持ち

ホテルに車を止め、私はフロントに向かった

フロントにいる男性は白髪混じりの笑顔が素敵な人だった

「すいません、パク・ヒョルと約束してるんですが…」

私は少しオドオドしながら話しかける

男性は笑顔で

「はい、お話しはお伺いしております。只今ご連絡いたしますので少しお待ち下さい」

フロントマンが電話をとり、ヒョルの部屋へつなぐ

会話はすぐに終わり、私はエレベーター前に移動した

エレベーターは五階からだんだんと下へ降りてくる

早くヒョルと会いたくて、話をしたくてすごく長く感じた時間…

(あ、開いた)

私は顔をパッとあげ、エレベーターを見る

しかし、そこには私が合いたくない人がいたのだった

「あれ…」

その人はエレベーターが開いた瞬間、私に気づき驚き、また、私も一瞬息がとまった

「雪ちゃん、久し振り…」

「…」

その人はかつての私の援助交際相手だ

「お久しぶりです」

私は軽くお辞儀をし、すぐに入れ替わるようにエレベーターに乗り込もうとした

だけど彼は私の腕を掴む

「は、はなして」

動揺だけが私を覆った

「俺、雪ちゃんにまた時間作って欲しいんだけど」

彼が掴んでる手が痛い

「メールしたよね…好きな人できたから会わないって。割り切った関係だったじゃない」

彼は顔を曇らせる

私は彼を好きと思った事は一度もないし、彼も体だけの関係と割り切っていたはずだ。

お金で買える女に執着するとは思えない

「…今日は急いでるからまた連絡する」

そう言って私の腕をはなした彼はすっといなくなった

心臓が痛い…

何故こんな場所で、これから大好きな人に会いに行くって時に会わなければいけないのだろう。

私が今まで重ねてきた罪

また、心を覆う…

(ビービー)

チャイムを鳴らすとすぐにヒョルがあらわれた

しかし、その後ろにはカンミンもいる

「こんばんわ」

カンミンはふんっとそっぽを向きながら挨拶をしてきた

「どうも…」

私はぺこりと会釈し部屋へ入る

ヒョルはどういうつもりだろう…

「雪、なんか飲む?」

私は首を振り椅子へ座った

ヒョルはコーヒーを一つ自分の前に置いて私の向かいに座る

「…で、カンミン。さっきも言ったようになんで嘘を雪についたんだ?」

その話は聞かなくてもわかってるじゃない…

カンミンは黙ってる

「私は雪が好きだし、カンミンの事は妹ぐらいにしか想えないんだよ」

ヒョルは溜め息混じりに話す

「こんなオバサンと付き合ってもマイナスにしかならないじゃない!私のとこにきてくれないならパパのテレビ局には今後一切出演しないようにしてもらうわ…それでもいいの?」

えっ?

パパのテレビ局?

ヒョルは困った顔をしている

このわがまま娘め…

本当に韓ドラにありそうなパターンになってきてしまった。

でも…カンミンの言ってる事も一理ある

私なんかと付き合ってもマイナスにしかならない…ふと、さっき会った援助交際相手を思い出す

大人気スターの彼女が元風俗嬢で援助交際していたなんてありえないだろう

「カンミン…それでも雪が好きなんだ」

ヒョルはカンミンに向かってキッパリと言った

カンミンは目を潤ませ

「目を覚ましてよ」

とヒョルに抱きつく

私はまるで居ないかのように…

また、ドラマのワンシーンを見ているようだ

「あなたもヒョルの事思うなら身を引いたら!!人には釣り合う釣り合わないってあるの知らないの!あなたといたらヒョルがダメになるわ!」

カンミンは私を睨む

…それは最初からわかっていた事なのだけれど改めて言われると悲しい

「それは私が決める事だよ」

ヒョルはカンミンをすっと自分から離した

「好きな気持ちを他人に言われて諦めるほど私の思いは軽くない。だから…君のお父さんのテレビ局に出れなくてもいつか出演しなければいけなくなるようなビッグにスターになればいいんだから。雪も夢も諦めないよ」

ヒョルはきっぱりと言い放った

「そう…でもあなたは私と付き合うことになるわきっとね」

カンミンは不敵に微笑みながら部屋を出ていった

なんだか…怖いなぁ

でもヒョルが私を抱きしめてくれてる

「ねえ、私の覚悟聞いてた?」

私は無言で頷く

「だったらもう二度と急に連絡をとらなくなったりするのは…お願いだから」

私はまたも無言で頷く

ヒョルが優しいキスをしてきた

「やっぱり雪がいい」

カンミンとの映画のキスを思い出したのだろうか

「このまま雪の事を韓国へ連れてってしまいたくなる、また連絡がとれなくなったときすぐに飛んでいける距離じゃないから…」

私はヒョルに回した手に力を込めた

それはできない…

そんな勇気は私にはない…

きっといつまでたってもこのままなのだろう

「雪?」

いつしか涙が、ながれていた。

私にはこの人を幸せに出来ない

好きだからこそ幸せになってもらいたいのに…

自分が悔しい

「なんで泣いてるの?そんなにカンミンの言ったこと傷ついたの?」

「ううん…ヒョルの気持ちが嬉しくて」

私は笑顔を作った…


どうしたら正解なのだろう…

優しさの中に激しさを見せながらヒョルは私を抱いている

それなのに私の気持ちは先ほどのカンミンとのやりとりが気になって集中できないでいた。

「雪?」

そんな私に気づいたのかヒョルは私を見つめた

「ん?」

私は素知らぬふりをしてヒョルへ聞き返す。

「雪、一体何を考えてるの?今は私の事だけを考えて…雪のスミからスミまで私でいっぱいにして」

本当に恥ずかしいセリフをさらっと言う

ヒョルにこんなに愛されているのは私だけ

それがひしひしと伝わってくる。

私はヒョルの首に手をまわし、キスをした。

「私はもうヒョルでいっぱいだよぉ」

するとヒョルが笑顔で私の頭を撫でてくれる。

今は考えるのはよそう…

ヒョルといられる時間を大切にしよう。

私はそのままヒョルに抱かれ続けた。


「ん…」

まだ薄暗い中私は喉が渇いて目が冷めた。

そっとベッドを抜け出し水を口に含む

そしてイソイソとまたベッドへ潜り、ヒョルの顔をマジマジと見つめた

(本当にお人形のように綺麗な肌触りに整った顔してるなぁ)

私は思わず携帯を取り出し写真を撮った

フラッシュのせいでヒョルは寝返りを打ったが起きてはいない。

もう一枚…

つい、私はイタズラ心をだしもう一度写真をとる。

しかし、さすがにヒョルが起きてしまった。

「………」

私は寝たふりをしたがそれさえヒョルは気付く。

「雪…今何したの?」

「……」

寝たふり寝たふり

「ゆーき!私の寝顔写真にとってなかった?」

それでも寝たふりを続けていると突然耳を息を吹きかけられる

「ひゃぁあ……あっ…」

起きてるのがバレてしまったので素直に写真を撮った事を喋った

「ごめんね、あんまり綺麗な寝顔だったからつい」

ヒョルは何も言わない

あちゃーやっぱこんなんとっちゃ駄目だよね

「本当にごめん、今消すから」

と携帯を操作しようとするとヒョルが取り上げる。

そして自分の携帯を持ち操作し始めた

訳がわからず私はキョトンとしている。

そしてヒョルが自分の携帯の画面を私にみせたのだが…

「!!!なん!いつのまに!」

ヒョルの携帯には私の寝顔が写っていた

「ごめんね、あまりにも可愛くて。これでオアイコ」

いやー!絶対に寝顔なんていやー!

消そうと必死で携帯をヒョルから取り上げようとする私を防ぎながら、ヒョルは笑っている。

本当に抜け目ない。

「あはは、じゃあさ、一緒にとろう」

ヒョルは私の携帯を持ち私の横に並んだ

「やだよぉ、寝起きのこんな顔」

私は下を向いたがヒョルは良いからと手で私のアゴを持ち上げる

カシャッ

カシャッ

カシャッ

笑っている2人

ほっぺにキスをする私

お互い変な顔をしている写真

沢山撮った

そして最後の写真はキスをしている写真

「ゆき、それ全部私の携帯に送って」

ヒョルはニコニコと携帯を見せる

私は撮った写真を全てヒョルの携帯に送った

そしてふと時計を見ると朝の7時になっている

「ヒョル?今日何時から仕事なの?」

「9時半にはロビーへ集合です」

そっか、もっとずっといたかったな…

「じゃ、今日の夜も会いましょう」

「え?」

聞き返す私にヒョルはキスをする

「毎日、毎日会いましょう、例え無理でもできる限り」

私を思ってくれるヒョルの気持ちがとても嬉しかった。私は頷いて笑顔を返した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ