出会い-7
目の前に二つの扉が現れた。
・・・・・・・・・・色々と物凄く省きすぎた気がするので、一応説明しておく。
シキの問いかけに適当に相打ちを打っていた俺は取り合えず外に出ようとした。だが、シキに投げられ黒い虎に弾かれるように廃墟に飛ばされた俺が今居る場所は2階だ。階段を使って降りなければならない。まあ、階段の場所は分かっていたため、俺は無言でそこに行き、階段の踊場に着いたところで・・・・・・・・非常にファンタジックな光景に出会った。
それが、二つの扉だ。
コンクリート剥き出しの灰色の階段が迎えてくれると思っていた俺の思考を不意打ちするかのように現れた二つの扉は、階段を生贄にして俺の目の前に顕現していた
さて、どうしたものか。冗談が通じるタイプの人間ではない俺からしたら、驚天動地な出来事である・・・・・・わけでも無いが、少しは驚く。
扉はあまり大きくなく、洋館などの一室にある程度の大きさだ。見た目からも洋風感が伝わってくる。
「なあ、シキ」
あとから付いて来た、多分俺の斜め後ろにいるシキに顔も向けずに俺は問いかける。
「何だ、あれ?」
「さあ、パンドラの箱の蓋とかじゃないか」
シキの適当な回答に、取り合えず少しでも現実逃避がしたかったので食い下がる。
「片方には希望が、片方には絶望が詰まってる。なんて事を言おうとしたわけじゃないよな?」
「言うわけ無いだろ。両方とも絶望が詰まっている、と言いたかったんだ」
・・・・・・・・・・・・何コイツ、厨二病予備軍なの? 欝な台詞を吐いて、それをカッコいいと思っているアホなの?
まあ、そんな事を言ったら、俺の元に死という言う絶望が迫り来る破目になるだろうけど。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死という絶望?
『彼の駒になるか、駒にならずに死を選ぶか』
俺の脳味噌のどこかから、そんな台詞が蘇る。いつ何処で聞いたかは思い出せないが、何故か重要な言葉のような気がした。
駒って何だ? 何で駒にならなきゃ死ぬ事になるんだ?
いや、そんな事を俺は考えて無い。何か違う事と繋げようとしてる。
例えば・・・・・・・・・例えば・・・例えば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・例えば。
この扉と関連している言葉だったりするのかもしれない。扉のどちらかが死で、どちらかが・・・・・・駒になるんだろう。
「この扉、開けたほうがいいかな?」
俺はシキに訊く。
「絶望したいのなら、いいんじゃないか」
ただし、とシキはその台詞に付け加え、
「アタシも同行する」
「・・・そりゃ、心強い」
強い声で言うシキに対し、俺は本心をありのままに言う。
例え死を引き当てたところで、シキなら覆せそうな気がする。
「・・・・・・・・・・・・・・」
俺は一歩前に進み考える。
多分、俺がこの扉を開けようが開けまいが、俺になんらかの災厄が降りかかる。
醜い事だが、俺はまだ生きたいし、死にたくない。
なら、無力な俺一人の時よりも、今日出会った見知らぬ強い少女が一緒にいる時の方が生存率が高まる。
俺は左のドアの方に進み、そのドアを開ける。
えーと、ですね、今回3回も保存が失敗し、文章が物凄く省かれています。
まあ、別にいいですよねー。よくあることですよ、保存が失敗するなんて。
いやー、まあー、すいません。