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NOISE  作者: 坂津狂鬼
57/66

8月22日-5

悪ィが、ココから先は苦し紛れの文章だァ!

「待てよ、シキ!」

くそっ、結構足速かった。

息を切らしながらも追いついた俺は、シキの肩を掴み、止まらせる。

「………何だ?」

振り向いたシキの返答はじつにあっさりとしていた。

何故アタシを追ってきた? 何か用なのか?

それを一気に凝縮して、俺に問う。

つーか、何だ? じゃねぇーだろ。

「どこに、行くんだよ?」

「さぁな、それはアタシも分からない。取り敢えず勘で動いてる」

なんて適当な。それでいて俺を充分にイライラさせる答え方だこと。

俺が訊いてるのはそういう事じゃねぇ。

「何が目的で動いてるか訊いてるんだよ」

「原因を潰しに行くだけだ」

単調に答えるシキに、また俺はイラつく。

原因………多分、さっきの園塚の怒声の原因の事だろう。

つまりは今この建物で起こった事態の根源。まあ、何が起こったかはまだ知らないが。

シキはその根源を潰しに行くという。

なんてバカな発言だろうか。いや、普通に考えれば最も適する発言か。

【蒼い死神】と呼ばれ、生死を自在に操る力を持っている少女。

緊急時にそこに駆けつけるのは当然な事なのかもしれない。

ただ、俺の勘に基づいて判断したらバカな発言に変わるだけ。

もしかしたらバカは俺の方かもな。

でも、

「お前の言う原因が、怪物………オトアだったらどうするんだよ?」

なんとなく嫌な予感がして堪らない。

「………その時は、その時だ」

「なら行かせられない。避難するぞ」

俺はシキの手を掴み、今まで来た道を戻ろうとする。

が、シキはその手を振り解く。

「……避難するぞ、シキ」

「お前は先に行け」

………………………………………………………。

長い沈黙が流れる。

コイツ……、最初からオトアと対峙する気だったのか。だから俺に何も言わずに行ったわけだ。

ふざけやがって、このバカは。

そんなの見殺しみたいな事、俺が出来るわけないって知ってるだろ。

「小月、さっきお前に言いそびれた事があったな」

沈黙を先に破ったのはシキだった。俺はまだ自分の気持ちを言葉に出来ないでいたからだ。

「アタシはお前を足手纏いだと思っている」

…………ヤベェ、心が挫けそうだ。

直接本人から言われると、死にそうなくらい、傷付く。

しかもこんなシリアスな場面で。後々、冗談とかで済まされる場面でなくて。

うぅ、泣きそう。

「だから、これ以上アタシに関わるな」

「………嘘は止めろよ」

シキの声が若干震えていた。本当にほんの少しだけ。

本当に、少しだけ。仮面を被って。

「………………そうか。バレたか」

シキは自虐気味に微笑むと、

「ならここから先は嘘は無しだ。正直に話し合おう」

意味の分からない提案をしてきた。

「ああ」

仕方が無いから俺はその提案に乗る。

「お前はアタシが怖いだろ?」

直後、後悔しそうになる。またその話をしなきゃならんのか。

「それは………」

さすがに師匠の時みたいに簡単に口に出来るわけが無い。その力が怖い、なんて。

本人の前で、そうそう簡単に言えるものではない。

「はは、さすがに本人の前じゃ答えにくいよな。………アタシは怖いんだ、この力が」

そう言って、シキは掌に蒼い炎を現す。

「生物を一瞬で殺せる力。生物なら何でも蘇らせれる力。まるで神様みたいな力がな、怖いんだ。まるで自分が怪物になったみたいで」

…………………あぁ、だから師匠はあの時、怪物みたいって言ったのか。

確かにあの人がシキに対して怪物みたいなんて思うわけないよな。

あれは、シキの言葉を借りて言ったのか。

くそっ。

次にシキが言う言葉が分かっちまった。

「怪物の相手を出来るのは、怪物しかいないだろ?」

………………………………ちくっ、しょう。

違う、って事は分かってる。シキは怪物なんかじゃない。そんな事は分かってる。

だけどそれを言葉に出来ない。適する言葉が見つからない、分からない。

すぐに否定されてしまうから。

「多分、お前の予想は正しい。この事態の原因はオトアだ」

シキは俺に背を向ける。このままじゃ、行ってしまう。

「園塚に伝えろ。逃げろ。一時間程度なら時間稼ぎできる、って」

「待てよッ!!」

呼び止める。振り返る。

振り返った瞬間、俺の思考は真っ白になる。

泣いていた。誰が? シキが。

「……アタシは、な」

シキが口を開く。何だ? 嫌だ、聞きたくない。

これを聞いたら、シキが本当に遠くに行ってしまう気がする。

嫌だ、それは。

嫌だ。まだ俺はお前の傍に居たいんだ。

「……アタシはお前に言いたい事が沢山有った!」

シキの声は泣いてるせいか、痛々しい程、儚かった。

そして俺は叱られている子供のように、その言葉を聴き続けるしかなくなっていた。

「アタシはお前と行きたい場所も沢山有った! アタシはもっと沢山お前と過ごしたかった!! ………………でも、ここでお別れだ。今まで楽しかったよ。ありがとう小月」

直後、俺の身は蒼い炎に包まれていた。

何でだよ、シキ。

…………………………何で、そんな事言うんだよ。


活動報告のほうにも書きましたが、NIOSEはちょこっとストックが溜まりました。

つっても、残りストック2個なんですけどねwww

それで、活動報告の方だけだと、ユーザーしか書き込めないんですよ。

居ないとは思いますけど、ユーザー登録をしてないここまで読み切っている勇者の方々の為に、募集場所を変更します。

場所は、このNOISEの感想欄。どうせ、まともに使われてませんから大丈夫。

それに感想欄ならユーザー登録なしで書き込める。

つーわけで、次回の更新日時で、何かご要望があれば感想欄に書いてください。

感想欄に何も書かれなければ、更新はしばらくしません。メンドイから。

ストックは一応あるので、遠慮は無しで書いていいですよ

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