狐狩り-14
地の文がグチャグチャですが、ここまで読んでくださった方はもう慣れてますよねwwwwwwww
ちなみに、これで狐狩り編は最後です。
月明かりに照らされた小月は、さっきよりも少しばかり髪が伸びている。
こんな短時間で人の髪は簡単に伸びるのか?
そんなものは決まっている。通常不可能だ。
異常な状況下のみに発生するイレギュラー。
確実に、今の小月はおかしい。
「rels/.rels」
ふらふらと立ち上がった小月は一瞬のうちに姿を消し、
「V濺尽オマヌqテノ」
アタシの後ろ。多分アタシに一番近い人間の一人の頭蓋を掴み、持ち上げていた。
「J窯TO[?ン?隔\N」
そう言った(?)小月の髪は疎らではあるが、何本か白く脱色されていた。
…………白色の髪。
小月に頭蓋を掴み持ち上げられた人間は、中空にある身体を痙攣したように震わせた後、首から上を内部から弾き飛ばす。
無残に散った頭の中身が小月に掛かり、溶けていく。
「?uB$帚イ模m」
自分に降りかかる汚れを全て溶かした小月は、品定めするように辺りを見回す。
残りはアタシを含めなかったら、6人。
誰一人たりとも動かない。いや、動けない。
動いた瞬間、次の標的となる。
それを本能的に察したため、6人は動けなくなった。どちらにしろこのままだと殺されるという事実を忘れて。
小月は一人の人間の胸に向かって人差し指を指す。瞬間、弾丸に貫かれたように胸に穴が数百個空く。
血は噴き出さない。ゆっくりと胴体が倒れていく。
「?uB$帚イ模m」
残り5人。
その5人の一人が、その光景に驚き恐れ、後ろに尻餅をつく。
それが小月の目に留まる。
「ひぃ――――」
悲鳴を上げる前に、その身体の肉は灰に変わる。血は重力に従い弾けることなく地面に流れる。
「?uB$帚イ模m」
残り4人。
小月が動いた。一斉に削除するために。
その動きは小さい。前に一歩足を踏み出すだけ。
それだけで、姿が消え、一人の前に現れる。現れた瞬間、右手で首を薙ぎ、また消える。
首と胴が離れ離れになり、赤い噴水が完成する中、小月はまた一人の前に現れ、今度は相手の胴体に両指をめり込ませ扉を開くように裂く。
不自然に開いた胴体から大量の血が降りかかるが、小月の身体に触れた瞬間、霧のように蒸発する。
「?uB$帚イ模m」
残り2人。
「うぅ………うわわわぁぁぁぁああああああああああああああっ!!」
情けない声を出しながら、一人が小月の背中に向かってくる。
小月は目線で確認した後、体ごと振り返り、片足で砂浜を踏みつける。
途端に、向かってきた一人の足元の砂が弾かれる様に舞い上がる。
舞い上がった砂は、その後渦となり、高速で中の人間の体を少しずつ切り裂いていく。
段々と勢いを無くし、落ちてくる砂と共に、膝から地面に落ちていく元人間が一人。
「?uB$帚イ模m」
残り1人。
小月は辺りを見回し、最後の一人を探す。
見つける。逃げようとしていた最後の一人を。
小月は片手を最後の一人にかざす。
結果、
小月が変化を起こす前に、蒼い炎がその最後の一人を焼いた。
「もう…………やめろ、小月」
当然、アタシがやった。
小月はこちらに体を向けてくる。
「フ、レセス」 コPロ^踝、醉Oヨ寃嶽;ァィゥ嚊?亦ナl?Yqヲ[暖?+d「^夛」
「日本語になってないぞ。お前、日本人じゃなかったのか?」
からかう様にアタシは言う。でも内心にはそんな余裕が無かった。
多分、小月は魔神の力を借りている。
けれども、魔神が小月を操っているわけではない。
魔神ならば、あんな斑の多い力の使い方はしない。
つまりは、今、小月は魔神の貸した力に溺れている。
衝動的で感情的で破壊的。いわば、暴走だ。
今の小月に理性は無い。
ただ動き、ただ壊し、ただ殺す。思考を捨て、本能よりも感情を優先している状態だ。
言葉が通じる相手じゃない。説得なんてはなから無理。
力ずくで黙らせるしかないのだ。
別にそれは簡単にできる。
さっきまで障害となっていたオトアが歪めたアタシの周りの空間。あれは小月の暴走と共に消え去った。
相手は小月。誰を巻き込む巻き込まないの問題は、もう無くなった。
だけど……………重要な問題が一つ。
アタシに小月を傷付けることが出来るのか?
いつもとは状況が違う。殺す覚悟でやらなければならない。
……………………………本当に、アタシに出来るのか?
今一度小月の顔を見る。
正面からの為か、小月の目の色が黒から金に変わりかけている事が分かる。
小月が小月でなくなりかけている事を再認識する。
だが。
あれはまだ小月なんだ。
………………………………………。
やるか、やられるか。
決断の時が刻一刻と近付いてくる。
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俺は何をしてるんだ?
辺りは黒一色で何も出来ない。
だから不安だ。だから心配だ。
俺は一体何をしてるんだ? シキを助けられたのか?
「もう…………やめろ、小月」
シキの声だ。
その声が聞こえた途端に黒以外の色が周りに付き始める。
景色がぼんやりとだが、見えてきた。
…………何だ、これは?
辺りは死屍累々の山で囲まれている………なんて事は起こってないにしろ、辺りには5体の異常な死体があった。
わざわざその死体について解説する気になどなれない程の無残な殺され方。
一体、誰がこれをやった?
そんなの問うまででも無い。俺だ。
俺がこの死体達を作り上げた。俺がこの手で、魔神から借りた力で。
罪悪感や恐怖は無い。そこまで思考が辿り着いていない。
ただ呆然と、愕然と、状況を傍観する。
その途中で一人、生存者が映る。
シキ。
彼女はまだ生きている。一応、助ける事に成功している。
だが……………ッ。
このままだと殺してしまう。
自分でも抑えられないこの力によって、このままだとシキを殺してしまう。
これじゃ、さっきと何も変わらない。
自分は何も出来なくて、ただ事態を見過ごすだけ。
さっきと何も変わらない。
つまりは、俺は力を言い訳にしてただけ。
俺は力を得たところで何も出来ない。力で人は変われない。
このまま何も出来ずに事態を見過ごす。それは嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。
助けたいんだ、シキを。
その為に、少しでもいいから、何か出来ないのか!?
その時、カチャ、という音を聞く。左手にに何かの感覚が有る事が分かる。
………………あった。俺に出来る事。
どうやら、神様も無情ではないのかもしれない。
いや、俺の知ってる神は無情どころか感情丸出しの時が多いと思うけど。
神様は俺に懺悔の機会を与えてくれたようだ。
この機会を逃すわけにはいかない。逃したら、それは俺がシキを殺すことを指すからだ。
だけど一つだけ心配事がある。
動くのか?
動かなければ、全ては意味をなさない。全てが無駄となる。
本当に、動くのか?
…………いや、動かすんだ。俺の身体だ。俺の意思で動かせなければ道理が通らないだろ。
試しに指先を少し動かしてみる。
………うん。動く、思った通りに。
これならいける。
後はもう四の五の考えずに、動くだけ!
だから俺は、
左手に持った黑鴉を自分のこめかみに打ち付け、問答無用に引き金を引く。
「ッ!? 小月!!」
シキの慌てた声が聞こえる。
そんなに慌てなくても平気だって。反動で腕が変な方向に曲がった感覚は有るけど。
だから平気だっ――――――――――――――――――?
体に一切力が入らなくなる。重心が安定しなくなり、後ろに勢いよく倒れる。
その前にシキに体を支えられたのは幸いだった。
「バカ小月! 何でこんなことをした!!」
何でって言われたら……………シキを殺したくなかったからだな。
助けたかった者を自らの手で殺すのが嫌だった。
言ってしまえば、ただそれだけの理由だ。
「…………何でお前は笑ってるんだ、小月」
自分でも気付かぬうちに顔が綻んでいた………わけでは無い。
上から覗き込むシキの顔に、月の光が増され、綺麗だった。
ただ、こんな事を言ったらシキに怒られるだろうなと思っただけだ。
俺はそのまま、シキに体を委ねるように、瞼を瞑った……………………………………。
しばらく更新が無いかもしれません。続きは頭の中にあるのですが……………。
体育祭の準備で体力的な面が持たない可能性がありましてwww
その前に一応、狐狩りは終わらせておこうという魂胆で、連日更新してたんです。
書けたら更新しますけど、練習後の気力があるかどうか…………。それに中間テストも5月中にありまして…………。
確実に更新するという保証はより一層出来なくなりますので、数少ない読者の皆様、すいませんが続きを読みたいならば、しばらく待ってください。
本当に、すいません