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NOISE  作者: 坂津狂鬼
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狐狩り-11

色々とスランプやら高校やらが忙しく、更新できませんでした。

というのは便宜上の嘘で本当はスランプで五月病を発病して本読んでました。

数少ない読者の皆様すいません。

今回も駄文ですが、まあほぼ一ヶ月ぶりなので許してください

「シキィ!!」

「ッ!? 来るな小月!!」

そんな事、聞けるかよ!

俺はシキの言葉を無視して、そのまま真っ直ぐ突っ走る。

すると、シキに止めを刺そうとしていた奴が俺の方を向いてきた。

色々と叫んでいたからな。そりゃ向くだろう。

俺はこちら向く、止めを刺そうとしてた奴の顔を見る。

闇に溶けるような、黒い瞳に、若干長い髪は何色かわからない。月明かりでもあればいいのに。

まあ誰であろうと関係ない。

俺は黑鴉を―――――――ッ!!

握ろうとした途端に、突っ伏した。

………………………え?

急な事態に俺の頭はフリーズし、思考機能をなかなか取り戻せないでいた。

だが、

「んァ? よく見れば、お前、あの時のガキかァ?」

ごく最近聞いた声に脳が異常活性を始めた。

この声をいつ聞いたかはしっかりと覚えてる。

シキの友達であるアリサさんが殺されそうになった時。もっと言ってしまえば殺そうとした張本人。

あの怪物の声だ。

何故ここに?

それはあの怪物も狐狩りの対象にはいっていたからだろう。

シキが苦戦していたのも納得がいく。

怪物は自らの空間を歪める力で蜃気楼を作り、シキの炎をかわしたことがある。

シキの炎は生物に当たれば絶対的な効果を発揮するが、生物に当たらなければただの映像に過ぎない。

対し怪物は色々な能力の使用法がある。床や天井を崩壊させてたり、自分の速度を増したり、扉を吹き飛ばしたり、壁を貫いたり。

シキと怪物では手札が違う。

本当に怪物は、シキ以上に常識離れした怪物である。

「ッ!!」

よく分からないが、自分の中で一瞬何かが拒絶反応を起こした。

生命の危機………?

いや、それとは少し違う。もうちょっと具体的で何か自分が嫌悪しているものが近付いてきてる気がしたんだ。

……………一体、何を嫌悪しているんだ、俺は?

それはともかく、俺は近くに落ちていた黑鴉を手に取り、片膝をつくように体勢を立て直し、そのまま低い姿勢で前へ爆発的に突進する。

シキや怪物との距離は結構離れている。

また途中で怪物の妨害に遭うかもしれないし、その前にシキが怪物に殺される可能性だってある。

でもその可能性は敢えて考えない。考えたって無駄だから。

俺には無理やりにでも前に突き進む道しか残されていないのだから。それ以外の道を捨ててしまったから。

「……………んァ?」

怪物は何かを疑問に思ったのか、しばらく突き進む俺を呆然と見ていた。

何を疑問に思ったかは知らないが、俺の手札も怪物とは比にならない雑魚さだ。

相手の行動を少し歪める力と黑鴉による一撃。

この二つしか俺の手元には無いのだ。

それらを活用するには勝利への外堀を自分で埋めるしかない。

自分の脚で、頭で、埋めるしかないのだ。

だから今の俺は前に突き進むしかない。

「哀れダナ」

怪物はそう笑いながら呟く。

仕方が無いじゃないか。今の俺には力が無い。外堀を埋めるには滑稽でもなんでも自分で醜く埋めていくしかないのだから。

「自分の本心と、そこまで向き合いたくネェのか?」

瞬間、俺の進む速度が増す。理由は分かってる、怪物の言葉だ。だが何故?

何故、今の怪物の一言で俺はムキになってるんだ?

何だか、さっきから俺がおかしい。何かを隠しているような気がする。自分自身にも明かしてない何かを必死に隠蔽して闇にでも葬り去ろうとしている。

一体、何を? 何を俺は俺に隠している?

そんな事を頭の片隅で考えながらも、時間と自分の体は進み続ける。止まらない。止まれない。止まる事なんて許されない。

「ハシャグなよ、ガキィ。すぐに沈めてやるからヨォ」

ケタケタと笑いながら怪物はそう告げる。随分余裕のようだ。

それはそうだろう。怪物は遠距離でも相手に攻撃することが出来るが、俺は零距離でなければ攻撃を当てる事すら出来ない。力の差は歴然だ。

俺だってそんな事分かってる。でも進むしかない。

最低限、ある程度時間が稼げたらシキはこの場から逃げ出せるかもしれない……………が、アイツがそんな事をする性格じゃないのは分かってる。だから尚更進むしかない。

いかに自分が無力か突きつけられているような気がして堪らない。

退屈そうに怪物が手を振り上げた。

次の行動は分かっている。その手を振り下げ、何かを歪める。その何かは分からないが怪物の発言からして半殺し程度の何かだろう。

つくづく嫌な気分になる。予測が出来ても俺は前に無理矢理突き進む事しか出来ない。俺の力を行使して行動を止めさせても、すぐに効力が尽きるだろう。なんせ怪物には俺の力を行使した事がある。解き方も知られてるはずだ。

俺の思考が絶望的な終わり方をすると同時に怪物が、


傍にいたシキにタックルを喰らう。


「逃げろ小月! このままだとお前が死ぬ!」

まるで自分は死なないみたいな言い回しをするシキの声は俺の耳にまでしか伝わらなかった。

俺は迷うことなく、愚直に真っ直ぐにシキと怪物がいる場所へと向かう。

距離は埋まってきたんだ。あと数メートルの位置にまで来ている。黑鴉を怪物にブチ当てられる距離まで来ているんだ。全てを終わらせられる距離まで来ているんだ、引き下がれるわけが無い。

あと少しで全てを終わらせられる。裏の世界から離れられる。シキから人形のような雰囲気を感じなくて済む。

全て解決する。

だけど。

そんな簡単に自分の思い通りに世界は動かない。動くはずが無い。

大体。

タックルで時間稼ぎが出来ているんだと勘違いしていた所が間違えなのだ。相手は怪物。その程度で空間を歪める能力者を止められるわけが無い。

だが実際は攻撃はされていない。どういう事か?

答えは簡単。

怪物がわざわざ時間を俺に与えたのだ。俺を試すように、俺を嵌めるように。

そして見事に愚直に嵌った愚図がここに一人。そいつの末路は簡単に予測できる。

「タイムオォバー。ギャハハハハハハハハ!!」

空間を歪める力で地面に徹底的に叩きのめされる。

文句は大量にあると思うんですよ。誤字脱字も大量に。

そういうのって、バンバン感想に書き込んでいいですからね。

相当癪に障るような書き込みでない限り、誠心誠意出来る範囲でお応えしますから。

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