狐狩り-10
文章が下手なのは元々ですから、目を瞑ってください。
それと書き方は元に戻ってますよ。
黑鴉の反動で軽く後ろに飛ばされた俺は、尻餅をついて、そのまま後ろに大の字に寝転ぶ。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・」
心臓がドクンドクン暴れてやがる・・・・・。やっぱ、全力で走りきるのはキツイものがある。
アリサさんの時は、角ばっか曲がってたけど、あれとはまた違うキツサだ。
まあ、どちらにしろキツイ。死にそうだ・・・・・・。
でも、早めにシキのサポートに行ってやらねぇーと・・・・・・ってもうあっちも終わってたりしてな。
結果俺が担当してたのは2人だったから、役割分担は予定通りになったんだけど・・・・・。
よくよく考えてみたら、シキの強さなら、一人や二人増えたところで問題無いような気がするな。
・・・・・・・・・・・・・・・取り敢えず、もう少し、休憩させて。
本気で心臓がヤバい状態だから・・・・・・・・・。
荒い息のまま、俺は片手に持っている、小型拳銃を上に上げる。
黑鴉。零距離でしか使えないが、その代り、一撃で相手を昏倒させる事が出来る単発式の武器。
今の状態ならば、弾倉を入れ替えなければただのガラクタ同然となる。
ところで・・・・弾倉ってどう入れ替えるんだ?
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くそッ! 弾倉取り換えるのに時間が掛かっちまった。
その間に息も整ったし、弾倉も取り換え終わったし、まあいいか。
・・・・・・・・・・それにしても、シキ、遅いな。
まさか、苦戦を強いられてる・・・・・ってありえるわけがないか。
シキの蒼い炎で燃やされた時点で勝負が決するんだ。
苦戦も何も・・・・・・ってそういや、化物と戦ってた時は悪戦苦闘してたような気がするな。
まあ、あの時は結果勝ってたし、そういうので時間がかかっているのかもしれないな。
一応、さっさとシキのサポートに行ってやるとするか。場所が分かんないけど。
俺は立ち上がり、自分が必死に走ってきた道を戻る。
そういや今回は、シキに頼らずに勝てたんだよな。凄いな、俺。
シキと別れて戦ったのは・・・二度目、と数えていいんだろうか?
この前の怪物とのあれは・・・・・正直な話、時間稼ぎに全神経を費やしてたからな。
会話したり、騙したりで、まともに戦ってないからな。
あの時と比べると・・・俺ってすごく成長したような気がする。
敵を二人も倒したもんな。
黑鴉っていう切り札が出来たからかもな、この結果は。
鑑師匠に後でお礼でも言っとくか。
俺は砂浜を悠長に歩きながら、今度はシキの事を考える。
そう、今回はシキの手を借りなかった・・・・。
シキ。
別名【蒼い死神】と呼ばれる少女。でもただの子供っぽい少女でもある。
シキは裏の世界にいる時、人形のような雰囲気を纏っている。
シキは表の世界にいる時、子供のような雰囲気を纏っている。
どちらのシキもシキである事には変わりない。
だけど、裏の世界のシキは・・・・・・俺の傍から離れて行ってるように感じる。
いや、裏の世界が関係あるときは、シキは俺の近く常にいると言っても過言ではない。
でも・・・・何故か、どこか、遠く感じる。
【蒼い死神】という名称がシキと俺の距離を感じさせる。
人形のような雰囲気がシキと俺を遠く離していってるように感じさせる。
何か・・・裏の時のシキに、恐怖を感じる。
ゆっくりと歩いていた脚が少しずつ速く動きだし、いつの間にか、また全力で走っていた。
少しばかり付き合いが長くなったからかもしれない。
裏の世界に慣れてきたからかもしれない。
シキに距離感を感じるのは。
この狐狩りは裏の世界の物だ。
今、俺達がいるのは裏の世界だ。
今、俺の傍にいるのは人形のシキだ。
嫌だ。
あの雰囲気のシキは・・・嫌だ。
早く。早く表の世界に、いつもの日常に戻って、いつもの子供っぽいシキに戻らせて。
それで、それで、それで・・・・・・?
とにかく俺は走っていた。早く、シキのサポートをする。
その事に変わりは無い。
早く、早く、早く、早く、早く、早く!
ひたすら夜の砂浜を走り、辿り着く。
シキの元に。
片膝をつき、今にも倒れそうな、シキの元に。
今にも止めを刺されそうな、シキの元に。
「シキ!」
叫ぶ。
更に強く、速く、駆け出そうとする。
でもそれは、間違えだったのかもしれない。
伝わり難い? 俺だってどういう話か分かってませんよ。
取り敢えず、シキがピンチだって事以外、頭に入ってませんもん。作者は。