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NOISE  作者: 坂津狂鬼
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盆休み-14

次回で、盆休みは終わりです。

「――――――ココにいたか、クソバカ小月」

シキが俺と怪物を見下ろす形で下を覗く。

「捜したぞ・・・・馬鹿シキ」

俺は怪物に視線を向けたまま、シキに返す。

「そいつは・・・・・・?」

「バカ共の【本命】。アイツらはコイツの奇襲でアリサさんを殺そうとした。ちなみに今は俺の力(,,,)で封じてる(,,,,,)

「よくやった小月」

シキはそう言うと、怪物に向かって掌を向ける。

さっそく燃やすつもりらしい。

蒼い炎が突然、怪物の体を包み―――――込まなかった?

蒼い炎は何もない虚空の場所を燃やしている・・・・ていう訳ではない。

怪物の体を包み込むように蒼い炎は存在する。

だが、怪物が燃やされていない気がする。

直感というよりは、経験のほうが近かった。

俺は一度誤ってシキの蒼い炎で燃やされたから分かる。

あの炎に触れたら、まともに立つことなんて出来ない。いくら相手が怪物であろうとも。

「そォいうネタかァ」

燃やされている怪物の姿が揺らぎ、蜃気楼のように消え去る。

・・・・・蜃気楼?

ああ、つまりは能力で炎を回避しやがったのか。

そして、多分、今の台詞だと、俺の力の弱点もバレた。

「にィしても、何でテメェが、ココにいる。【蒼い死神】」

怪物の視線はもう俺に向いていない。シキに向いている。

今はそれでいい。俺じゃ到底怪物の相手なんて出来ないんだから。

今のうちにアリサさんを逃がせれば・・・・・・・。

「お前は誰だ?」

「名を語るほどォ、立派に育たなかッた人間だァ」

「そうか。ならここで死んで、立派に来世をやり直せ」

「断るよ」

シキの蒼い炎が消え、俺が怪物の位置を把握する。

怪物は蒼い炎のすぐ後ろにいた。反射的に脚やらが動いて全てが解けたんだろう。

「あァーあ・・・・こりャッ、失敗だなァ。【蒼い死神】がいるなんて、仕事の内容には無かッたしなァ。帰るか」

「逃がすと、思っているのか?」

「逃がされるんじャねェ。逃げェるんだ」

そう言った怪物は片手を上げる。

・・・・確か、あの動作は床を崩壊させた時もやっていたな。もしかしたら力を使う時の癖かもしれない。

まあ、俺的に言えば、この怪物にはどっかに消えて欲しい。

俺の能力はもう使えないし、何より、このままだと蜃気楼でシキの炎すら届かないかもしれない。

この怪物にはさっさと逃げて貰った方が・・・・・・・・?

俺の思考に変なものが引っ掛かる。

それは、怪物の動作。

床を崩壊させて、下に逃げるつもりだろう。

だが、何かが引っ掛かる。

普通に考えてそれで逃げれるだろう。

仲間を見捨てて、逃げるような奴のはずだ。

仲間を囮にして一斉検挙が終わったと思わせて、奇襲を・・・・・。

一斉検挙?

そう言えば、警備員は未だに出口を塞いでいるのか?

塞いでいるなら、この怪物はどっから逃げる?

いや、コイツは空間を歪める力を使える奴だ。上手く目を誤魔化したり、力で圧倒することも出来るだろう。

だけど、コイツは・・・・・・・・・そんな面倒な事をするのか?

仕事が続行しているならやっていたかもしれない。

でも怪物は帰ると言った。

逃がされるんじゃなくて逃げるんだ、とも言った。

そんな面倒な事をするか?

・・・・・・・・・・・・・・俺ならしない。

怪物とまったく同じ力を手に入れて、シキの登場ですこしは変わった今の状況。

出来るだけ、楽に逃げようとする。

シキの足止めが出来て、尚且つ、簡単に逃げれる策を考える。

多分、無理矢理にでも城を全壊させて、その崩れた瓦礫に巻き込まれるであろうアリサさんやらを利用してシキを足止めし、直線距離で単純な逃走ルートを悠々と逃げる。

あくまで俺なら。

でも、俺の思考が特別という事はない。逆に俺ごときでここまで考え付いたなら、あの怪物だって考え付くはずだ。

いや、もう実行しようとしているのかもしれない。

「シキッ!! 怪物以外の全員を蒼い炎で守れッ!」

腹の底から出した声に、返ってくる言葉は無い。

困惑してるのか、もう実行しようとしているのか。

こっからじゃ、上の様子は分からない。

とにかく後は神様次第だ。

意味がしっかりと伝わってると良いんだけど・・・・・・・無茶苦茶な事言ったような気がする・・・・・・・・。

「へェ、気付いたかァ」

最後に怪物は俺に視線を向けて喋る。

「クソな事を考え付くんだな。これだから異常に強い力を手に入れた奴は」

「力は振るッてこそ、力なァんだよ」

強者はこれだから嫌なんだ。

直後、大きな地鳴りにも似た音と共に、瓦礫の雨が城内にいる全員に降り注いだ。

蒼宮螢さんがシキの絵を描いてくれました。みなさん、拍手ッ!!

蒼宮螢さん、ありがとうございます。


物凄いほど話題は変わるんですが、盆休みと次編の間にまた夏祭り的なものを入れたいと思うんですが、まったく思いつかないんです。すいません。

そこで前々からアソンロジーやらなんやら言ってたのを利用して、こんな事をしちゃいます。

期間は8月14日から18日までの間。タイトルを数少ない読者に決めて貰って、1~2話の間で納められる物を作りたいと思います。

まあこんなのやって欲しいていう希望があれば感想欄に書き込んださい、つーことです。

出来れば明後日までにお願いします。

・・・・・いーや、自分勝手だなー。

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