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NOISE  作者: 坂津狂鬼
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盆休み-10

ネットできねぇーし、地震が来るし、最悪だ。

この状況で、一番簡単な事から遂行していこう。

となると、まずは、

「アリサさんッ!!」

俺はアリサさんの元へ走っていく。もう脚は動く。多分、脳内でアドレナリンがやっと分泌され始めたかなんとかだろう。

ま、アドレナリンなんて言葉の意味は知らないけど。

アリサさんは俺がこの会場に来た時と同じ場所で立ち尽くしていた。

何であの人は、逃げていないだ?

って、さっきまで動けなかった俺の言う台詞じゃないけど。

まあ、下手に動かれるよりはそこで止まってた方が少し作業が楽になる。

「――――ッ!?」

俺がそんな風に考えていると、左から、正確には左前方から、とてつもない殺気を感じた。

寄生虫の化物と比にならないレベルの。

俺は止まろうとする脚を無理矢理動かしながら、一か八かの賭けにでる。

この賭けには前提条件が三つある。

一つはこの殺気の主が怪物である事。

二つ目は怪物がさっきと同じく、突進じみた攻撃を俺に仕掛けてくること。

そして三つ目は――――。

考えている暇は無い。出来ればあって欲しかったが、残念ながら相手はそんな暇をわざわざ与えてくれない。

俺は自らに自らの能力をかける。

三つ目。それは俺の能力が自分自身にも適用されること。

これが適わなければ、俺の身体能力や反射神経などでは、到底、怪物の攻撃をかわせない。

頼むぞ、俺のしょぼい能力。

触れただけで異能の力を打ち消せるわけでも、相手の能力の劣化コピーが出来るわけでもない能力だが、それぐらいは出来ていいはずだ。

「―――――ぃッ!」

前に進もうとする片脚が不自然に止まり、俺は大きく重心を崩した。

つまりは、俺のしょぼい能力は自分にも通用したってわけだ。

俺の真上を何かが高速で飛び去り、その風圧で俺はさらに体勢を崩す。

が、ココで転んだら、立ち上がるまでに時間がかかる。そしてそんな猶予は無い。

俺はもう片方の脚を動かし、アキレス腱を伸ばすような(まあそれより姿勢ははるかに低くて、攣りそうなんだけど)格好になり、そのまま片足に全体重を乗せて地面を蹴る。すると、不自然に止まった俺の片脚がまた自由になる。

こういう時、しょぼい能力は役に立つ。なんせ簡単に効力が切れるんだから。

俺はそのまま直進し、アリサさんの手首を掴み、強引に走り出す。

「シキの着替えてる部屋はッ!?」

「このまま真っ直ぐに行って、突き当りを左に曲がったところに」

くそっ! 直線じゃダメだ。あの怪物に追いつかれてしまう。

追いつかれないためには、出来るだけ何回も曲がった方が良い。

「アリサさん。ここの城の全体図、知ってますか?」

「まあ、一応」

「なら、一番遠いルートでシキの着替えてる部屋まで案内してください」

俺はそう言うと、取り敢えず、適当に角を曲がった。

「でも、短い方が良いんじゃ?」

「近いルートだと直線ルートがいつくか入ります。一番遠いルートだと、何回も角を曲がる事になります」

俺は最低限の事しか言わずに、次の角を曲がる。

取り敢えず、俺の考えてる事を理解して貰えるまで、適当に角を曲がるしかない。

「そういう事ですか」

「理解が早くて、助かります」

ヤバい、若干息切れし始めた。

俺は少し息を荒げながら、城の無駄に長くクネクネとした廊下を走り続ける。

中途半端ですいません。ですが、文句は光ファイバーに言ってください。

断じて俺のせいでは無いです。光ファイバーのせいです。

まあ、この回は、小月の能力が自分にも適用されるという事を書きたかっただけなので、さほど重要じゃなかったんですけど。

地震が起きたのもネットが出来なかったのも、全て光ファイバーのせいです。

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