表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NOISE  作者: 坂津狂鬼
18/66

夏休み-9

すみません。お待たせしました。

「それは・・・・まあまあ面白い策だな」

対抗策を伝えた時のシキの反応はこれだった。

俺的には一切面白味の欠片を感じることが出来ないのだが。

「ただ、この策は―――」

「分かっている。アタシの力の操作がカギになるんだろ」

そう。俺の立てた対抗策は、シキの役割がとても重要だ。

まあ、言ってしまえば、俺は一切何もしない。相手が異常行動を取った時だけ働く、保険だ。

9:1の割合でシキの仕事の方が多い。

「平気だ。今はストレスが溜まっていて、ちょうど発散したかったんだ。絶対に化物をぶち殺すよ」

下品な言葉なこった。

「シキ、」

俺は対抗策が開始される直前に一言シキに告げる。

「あまり時間を掛けるなよ、ファミレスとかが閉まっちまう」

「それは急がないとな」

シキはそう言うと、化物に目を向け、蒼い炎で燃やす。

化物は一旦地面に倒れ伏すが、すぐに起き上ってしまう。

確かにこれは不死身と呼んでもいいな。

化物はノロノロとシキに近付いてくる。

対してシキは、一旦炎を消し、また燃やす。

化物は倒れ伏し、起き上がる。

化物が起き上った瞬間に、炎は消え、また点く。

単純作業の繰り返し。これが俺の立てた策。

ようは園塚のやっていた拷問と同じだ。殺して生き返らせて、殺して生き返らせて。

そして挙句の果てには処分した。それは精神的ダメージが一定量を上回って、廃人同前になってしまったから。

あの化物に精神やら感情やらがあるのかは分からないが、最低限、この世に不死身は存在しない。

どんな形であれ、生物は殺し続ければ死を迎える。

それを狙った、俺の対抗策。

そしてこの対抗策は単純作業の繰り返しだ。

先に限界を迎えた方が負ける仕組みだ。それ故に、シキの力の操作が一番大事になる。

その肝心のシキの力、蒼い炎はというと、先ほどから一定のリズムで点滅を繰り返している。

点滅、と例える程に殺すスピードは速くなっていっているという事だ。

このペースであれば、化物であれ、不死などほざく暇がない。

今のところは順調だ。このまま行けば、俺達の勝ち。

案外早く終わりそうだ。

「ッ! 小月!!」

呆けながら静観していた俺に、シキが呼びかける。

っていう事は、異常行動なんてものをしやがったのか? あの化物。

俺は蒼い炎へと目を向ける。

化物は立ったまま、何か咆えていた。

何だ? ゾンビゲームのボスキャラみたいに第2形態にでもなりつもりか?

ふざけやがって。寄生虫の化物が。

「シキ。お前はこのまま燃やし続けろ。あの化物が突撃した時は、俺がなんとかする」

「分かった」

シキは俺の指示に素直に従う。

何となく、調子が狂うな。

俺が誰かに指示してることも、シキがそれに従うことも。

なんか、調子狂う。

「ぎゃぁぁぉおおおおおー!」

なんて俺が思っているうちに、化物の方が動き出す。

姿勢を低くし、足に力を込め。

一気に俺達の方へと突っ込んで―――――、こうようとしたら転んだ。コケた。

「ッ!!?」

化物が不思議そうな表情をしているかどうかは分からないが、確実に驚いた態度をとる。

そりゃそうだ。自分では前に進もうとしたら、コケたんだから。重心を崩してもないのに。

もしこれがゲームなら、プレイヤーも驚きだ。新展開かと思ってしまう。

まあ、こっちは事情を知ってるから、容赦無く燃やし続けてるんだけど。

「うん。やはりこれはまあまあ面白い」

「確かに。罠に嵌った人間を見るのと同じ気分になるな」

事情を説明すると、化物はわざわざ保険わなに引っ掛かってくれた。

化物が勝手に転んだ理由は俺の得た能力にある。

俺の力、それは・・・・・相手の行動を少し、歪める事。

まず、この力を行使するには色々と条件がある。

面倒なので箇条書き風に説明だ。

・相手が行動しなければ発動できない受動的な能力

・相手が動かそうとした部分しか行動を歪められない

・相手の行動を止める、もしくは動きを変更することしか出来ない(例えば、上に振り上げようとした腕を横や斜めに振らせる、もしくはその動き自体を止めることしか出来ない)

・相手が次の行動をしたら効力が切れる。

・一日一人に6回までしか使えない(これはまだ不明。何故なら今日、初めて力を使うから)

こんな感じの能力だ。

激弱ってわけじゃないが、しょぼい能力だ。

あ、ちなみに何故こんなに自分の能力に詳しいかと言えば、ここに来る前に園塚とシキにタコ殴りにされてる時に使って園塚が推測したからだ。

語尾に『だ』ばっかり使ってる気がするのだ。

・・・・・いい加減、やめよう。

「そろそろ尽きるぞ」

シキが俺に告げてきた。

やっぱりこの世には不死身なんてものは無いらしい。

「ならとっと済ませてくれ。あんな化物、見ているだけで気分が悪くなる」

俺はそう言うと、欠伸をする。

なんか疲れたな。色々とあって。

はぁー、家に帰ったら、即寝る―――――、

「小月!!」

シキの声と共に、後ろから殺気を感じる。

まさか・・・・・・・まだ走り回る元気があったのか?

いや、最後の力を振り絞って、ていうやつか。

さっき説明し忘れたが、俺の力は当然俺が認識しなければ発動しない。

つまり、相手がどこを動かそうとするか、どういう風に歪めるか、この二つの作業をしなければ能力は発動しない。

さて俺は、自分自身の行動を歪めるべきか。それとも化物の行動を止めるべきか。

そんな事を考える前に、反射的に後ろを振り向く。

そして、

「足止め、ごくろぉー」

後ろで橙と蒼の炎で焼かれる化物の最期を見ながら、園塚の声を聞いた。

バトル描写の書き不足が物凄く現れてますね。

まったくダメです。修行をしなければいけないかもしれません。

まあ、取り合えず。

長らくお待たせして、どうもすいませんでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ