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NOISE  作者: 坂津狂鬼
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夏休み-4

今回、終わり方が分からなかった・・・・・・・。

「なあなあ、シキさん」

「何だ、小月」

「一体これはどういう状況なんだ?」

「アタシにも分からん」

分からんは無いよ、シキ。

お前が俺をココに連れてきたんだろうが。


俺は言った。組織に頼んでくれと。

そしたらシキは言った。お前も一緒に来いと。

そして俺達は外に出て、シキに連れられ、バスに乗り、電車に乗り、新幹線に乗り、またバスに乗り、まったく俺の知らない土地に連れてこられた。

そこには研究所みたいな製薬会社みたいな、とにかく白い建物があって、その中に連れて行かれて。

小銃ライフルを向けられた。

これ、一体どういう状況?

「ああ、お前か。シキ」

手を上げる動作などせずに棒立ちになっていた俺達に、前方から声がかけられた。

「随分と手酷い歓迎だな、園塚そのづか

白衣に黒いサングラスと市販のマスクをして現れた人間に、シキが不愛想に言う。

つーか、こいつに愛想なんてねぇーか。

「酷いって言われてもねぇー。いきなり『魔神を連れてきた少女が来た』なんて言われたら、身の安全を確保するのが当たり前だろ?」

「それが何故、来訪者に銃口を向けることになる」

「他人が危険な時こそ、自分が安全なんだ。まあ、お前相手に銃口向けたところで、死人はこっちからしか出ねぇーけどな」

園塚と言われた人間は、サングラスとマスクを取る。

その顔は男の顔立ちで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・全国標準でいう、俺の敵ことイケメンに入る格好の良い顔立ちだった。その面を今すぐ歪めてやりたい程度に。

そのムカつく面で俺の顔をまじまじと見た園塚は、

「特徴のねぇー面だな。こんなガキの中に本当に魔神がいるのか?」

俺から顔を離し、シキに話しかける。

「アタシが確認したんだ。間違い無い」

「そうかい。でもなぁー、ちょいと無理そうだ。お前の頼み事」

「保護の件か?」

「ああ。オレも上に頼んではみたが、保護(,,)は無理そうだ」

「・・・・・? そんなに構成員が少なかったか、ウチの組織?」

「まぁーな。最近、どっかのバカ共がやらかしてくれちゃって、ウチの人数が激減したんだよ。この支部以外のすべてが全滅。まったく、ブチ殺したくなっちまう」

「なんで、この支部だけ生き残った?」

「知っかよ。人選ミスか、【蒼い死神】の名が高く売れあがってのか。どちらにしろ、お前がしゃしゃり出る程の怪物が来なかったんだ」

「そうか。つまりお前は『ここに来たクズ共はオレが殺しておいた。あぁー、お前がいたら楽だったのに』と言いたいんだろ?」

「よぉーくできました。そんじゃっ、愚痴も言ったことだし、こっちに来い」

そう園塚が言った後、銃口は俺達から降ろされ、シキは園塚の後をついて行った。

俺は慌ててシキの後をついて行く。

「なあ、シキ。いったいどういう状況なんだ?」

「無料で保護する余裕は無い、お前も働け。っていう状況だ」

シキは少し苛立った口調で言う。

「え、でもさっき、全滅とか言ってなかったか?」

「アタシの前を歩いているクソ野郎が生きてるから、組織は残念なことに成り立っているみたいだ」

「でも支部なんだろ、ココ」

「そうだな。本部が脊髄だとしたら、この支部は脳だろうな」

脳って、凄いな。それだけ優秀なのか? つーか、脳の方が本部っぽく感じるぞ。

園塚暁そのづかあきら。組織の中の地位は・・・3番目だろうな。特殊品製造研究部、部長。所謂狂った科学者マットサイエンティストだ」

シキは本当にさっきから苛立った口調で俺に言う。なんかしたか、俺?

「アイツが生き残った限りは、この組織はアイツを頭にして再構成される。お前はその手伝い及びその後の構成員になるわけだ。分かったか?」

「あの~、さっきから物凄く機嫌が悪そうなんですけど、俺、何かしましたか?」

「・・・・・・・・お前じゃないし、まだ起こっていない」

シキが続きを言おうとすると、園塚が割って入ってきた。

「おい、お前。名前は何だ?」

「・・・・・張空小月」

最初、俺に話しかけてきたとは思わなかった。

「血液型は?」

「A型」

「職業は?」

「高校生」

「年齢は?」

「16歳」

「誕生日は?」

「6月26日」

「家族構成は?」

「両親に義妹が一人、それと2年前に死んだけど兄貴が一人」

「そぉーだな・・・・・・好きな言葉は?」

「・・・? 最悪だ」

「嫌いな言葉は?」

「最悪だ」

「座右の銘は?」

「仕方が無い」

一連の質問を全て答えた俺に園塚は、

「おめでとぉー! 君は晴れて組織の一員となった。誠心誠意、組織のために働いてくれ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」

その一言で全ての説明を終わらた。

「園塚は狂ってる」

呆然と立ち止まった俺にシキが補足説明をしてくれる。

「性格も発想も行動も言動も、全て狂ってる。まともなのは顔とルックスだけだ」

そしてシキのその一言で俺はまた歩き始める事が出来た。

うん、よく分かった。俺の敵って事が。

「今の質問は登録のため。そして、その質問に礼儀正しく答えたお前は、園塚の言う通り、晴れて組織の一員になったわけだ」

「へぇー。それで、話を随分戻すけど、シキは何で苛立ってんだ?」

「園塚の言動を思い返せばいい。そこにヒントがあるさ」

ヒントがあるって言われても、俺は小説を読んでいるわけじゃないし、覚えてもいないし、思い返す事なんてできねぇーよ。

「まあ、園塚にとっては楽しく愉快な事を、アタシがやらさられるだけだ」

シキの声にはとてつもない怒りが込められている、ように感じた。

もしかしたら一部の鋭い勘の持ち主は気付いたかもしれませんが、じつはまた伏線をはりました。

しかも結構重要(?)です。夏休み編に関しては。

そして新キャラ登場。園塚暁君です。

彼みたいな人は小月と同じく、俺の敵なのでさっさと消えて欲しいです(まあ、作者の私情で物語上で死んでもらうやら消えてもらうやらは起こりませんが)。

ついでに、感想欄に書いてある事で若干の虚実を含めてしまいました。

でも、潰れてねぇーから問題は無い。そぉーだろ?

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