夏休み-1
設定? 辻褄? 世界観? 時間軸? 展開?
知ったことか。俺はただ・・・・・・・・・・・・・暴走するだけだ!
さて、何故だろう?
何故俺は自分のベットの上で寝ているのだろう?
答えは簡単。あれは悪夢の一種だったって事だ。
つまり、俺の補習はまだ残っている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最悪だ。
俺はマントル並みに暑い自室を出て、リビングへ行く。
それにしても、意味の分からない悪夢だった。・・・・・・・・・・・・・・・・・まあ、今までの悪夢に意味合いがあるとすれば俺への嫌がらせになるが。
黒ローブを羽織った蒼い瞳を持つ少女に、黒い虎、姿のない声に、白髪の少女。おまけに最後に俺を焼いた蒼い炎。
焼死エンドは初めてではないが、意外とあっさり死んだ気がする。いつもならジワジワと殺されるのに。
今回の悪夢は意味が分からない。
でも、所詮は夢なんだ。考えたって仕方が無い。
俺はリビング兼ダイニング兼キッチンの扉を開き、
「ん、起きたか」
蒼い瞳を持つ少女を見た瞬間に閉じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最悪だ。
「・・・どうしたの?」
義妹の心配そうな声が聞こえる。
どうしたの、ってお前。そんなの一つしか原因がないだろ。
俺は静かに扉を再び開き、原因を言う。
「どうしたもこうしたも、そのテーブルに置いてある料理は何だ?」
俺が扉を閉じた理由。それは、シキを見たからではなく、シキの後ろにあった、満漢全席を見たからだ。
夏のクソ暑い日に、しかも朝っぱらから、そんなものが食える人間なんているのか?
いるわけねぇーよ。
「・・・いつも通り」
義妹が常識と言わんばかりに答える。
どうやら、義妹は俺に本当に嫌がらせをしていたらしい。いや、現在進行形だから、本気で嫌がらせをしていくらしい、の方があってるか。
まあ確かに、いつも通りと言えばいつも通りなんだが。
俺は諦め、いつも通りテーブルに着く。
そして嫌々箸を持ち、
「あ、そういえばシキ。なんでお前ここにいるんだ?」
現実逃避のためにシキに尋ねる。
「・・・それは、旅行に誘ったから」
「旅行?」
義妹からの返答に、俺は思わず聞き返す。
義妹が答えたっていう事は、義妹がシキに誘ったわけか。
・・・・・・・そういえば、シキが義妹に呼ばれたとかなんとか言ってたな。
旅行のためだったのか。
「いつ行くんだ?」
「・・・10月」
「・・・・・・・・・ふざけてるのか?」
「・・・ふざけてる?」
疑問を疑問で返された。
自分の事なんだから、俺に訊くな。
「アタシ、ホームレスだから、昨日から泊めてもらってる」
「意味が分からねぇーよ」
シキが詳細を説明した気分でいるのが、少しムカついた。
「・・・シキとは顔見知り程度の関係だから、一緒に暮らして、親密度を上げて、旅行に行く」
「ギャルゲーみたいな表現をするな。つーか、別にシキじゃなくても、学校の友達を誘えばよかったじゃねぇーか」
「・・・皆、都合が悪いって」
「とか言って、本当は避けられてるとか」
我ながら、デリカシーのない事を言ってるなー。
「・・・一緒にしないで」
嫌悪感の籠った声で義妹が言う。
我ながら、デリカシーのない事を言われてるなー。
「・・・皆、学校があるって」
「ちょっと待て。お前は今、何を説明した? 旅行の日程が平日っていう事か? それとも学校をわざわざサボるって事か?」
「・・・両方」
義妹は少し申し訳なさそうに言う。
これは・・・・・・・・・義兄として旅行に行かせるのを止めるべきか、男として少し俯きながら上目目線で見てくる義妹に萌えるべきか・・・・・・・・・。
うん。後述を選ぶべきだ。
俺は何も言わずに、内心だけで何とも言えない気持ちを暴れさせていた。
何故、この時、俺は気づかなかったんだろう。
義妹がわざと上目目線で見てきている事に。
俺が内心で萌えている最中に、旅行について無理矢理、許諾させられていた事に。
まあ、俺バカだから。仕方が無い。
「なんか卑劣な手だな」
「・・・簡単に引っ掛かる方が悪い」
「秋音。お前はいずれ不幸になるだろうな」
「ん? シキ、名前で呼ぶなんて随分と馴れ馴れしいな。もう二人は友達なのか?」
俺は萌えるのを止めて、会話に加わる。
「微妙だな。まあ、友達候補みたいな感じだ」
「それは・・・・」
俺より微妙な距離感だな。
まあ、俺と義妹の距離感は、義兄妹か苛めっ子とかの関係だからな。
あくまで俺が、苛められる方だ。
意味不明な点しかないと思いますが、そこは自らの想像を働かせてください。
自分の理解の範疇を超えてるなー、と思った人は感想欄に不明な点を書き込んでください。解説致します。
と思うほどに酷くなっていってる気がして溜まりません、はい。