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ハーヴェイ・サテライツ  作者: 毛糸
一章・Ⅱ【大会と種目】
11/18

一話「大会開始と殺人玉投げ」

 しまった……。と賑わう教室で囁く。俺とした事が……、

「――何もしないまま五月になっちまったぁアァァァァァァッ!!!!!」

 俺何つーお馬鹿プレイしてんだよ俺はドジッ子じゃないんだよ普通に学生生活送ってただけなんだよだから鍛えてないし対策法も煉ってないんだよッ!!

 つーか心で叫んでも意味ねーよ!

「今日この時をどれだけ待った事か……――あー、経汰。朝から元気ね……っふ」

「おい木崎てめぇ今最後らへん鼻で笑いやがったなこのアマ!!」

「五月蠅いわねぇ、先に捻り潰して出場停止にするわよ」

「んだとコラーッ!てかやっぱり「先に」って言う事は俺をボコボコにするって前提じゃねーかゴルァ!」

「そうよ」 「開き直るなーッ!!」

 うがー!と歯をむき出しで襲いかかろうとしたが、二人の男子生徒が俺を止めた。

 木崎は俺が暴れているのを横目に、生徒が全員出席しているこのクラスを眺めて「皆ヤル気満々ね」とか呟いていた。途中で苅野がこちらを見て「まぁまぁ」みたいな励ましの目線を送ってくれたが嬉しくない。俺は今すぐ此処から逃げ出したい気分――、

「そんなに嫌なら休めば良かっただろ!」 と俺を止めている男子が言った。

「その発想は全くなかった」 激しく後悔。一ヶ月遡ってインフルエンザにもかかりたい気分に苛まれると同時、現実を受け止める事にした。

「はぁ」 と、溜息混じりに言葉を紡ぎ、

「しゃあねぇな。もう駄々こねたって意味無いし……」 右腕をゆっくりと上げていく。すーっと、上げた右腕が垂直になった時。酸素を多く取り込んで

「宣言だ、――俺がクラスのトップになってやるっ!」 つま先で立っても無理な一言は、クラス全員の闘志を逆立てて燃やして戦場へ駆り立てる。

《三、二、一、――それでは、学年序列決定戦を開始します》

こうして、校内放送と同時に地獄は幕を開けた。



***



 体操服に着替えて開始の合図を待っている。

 一年二組のクラス、最初の種目は『玉投げ』だった。場所は学校の現在使われていない旧校舎を利用。ルールは、旧校舎内にある「玉入れ用」のボールを投げあうというもの。三回当てられたら脱落になり、専用のボールならどこに落ちているものでも投げていいらしい。因みに顔面は無し……――というものは存在しない。というかそんな甘いルールはない。何せ、この旧校舎には沢山のトラップが設置されているからだ。それを回避しながら玉も回避してライバルを当てなければならない。

 因みに当てた数は関係ないらしく、最後に二人生き残ればいいのだから「逃げ続ける」という手もあり、前まで普通に活用されていたデカイ旧校舎でそれは全然可能だった。

 まず、定位置に着く。どうやら俺は第三理科室に居るらしく、木造の人体模型が寂しく隅に置いてあった。因みにこの校舎は部屋が四十個以上あるため、最初の位置は一人一部屋らしい。周りを見ても当然此処には誰も居ないが、よく見ると床に赤と白の玉が沢山転がっていたので数個ポケットに入れた。

さて、後は旧校舎の放送を待つだけ……。と思っていると、思った時とほぼ同時に、

《第一科目「玉投げ」を三十秒後に開始します。尚、反則や脱落者、その他の情報はこの放送で知らせますのでご了承願います。それでは……三、二、一、――スタートです》

――瞬間。

 ガララァンッ! と、一斉にドアが開く音がなったと同時、生徒の声(というか雄叫び?)が四方八方から聞こえてきた。

 地図によれば、俺の今居る場所は校舎の二階の隅っこだから結構安全だ。――しかし、その分誰かに来られると逃げ場がない。どうにか此処を逃げ出したいが、廊下では「リミッター所有者」の凄まじい攻防が繰り広げられていて出れそうにもない……。

《脱落者二名出現。飯島、細動》 機械アナウンスが心を込めずにそう言った。

 どうやら苗字だけで呼ばれるらしい。それでも恥ずかしいな、こんな早くに脱落って。

 すると、

 カツカツ……と言う足音が迫ってきているのを耳が感じとった。ドア付近に居た俺はすかさず近くの「実験用テーブル」の影に隠れる。実験用テーブルとはグループで囲むように座る、あの黒い机だ。

 その足音の予感は見事に的中した。此処からでは見えないが、理科室のドアが開く音が鼓膜を叩き、俺に悪寒と汗を与える。ポケットから玉を取り出し、強く握って深呼吸。

 三、二、一の合図で突撃だ。手元にある四つの玉で確実にし止めなきゃ、確率は薄い。

 ミスしたら負け。負け。負け。……三。

 生徒の足音はドア付近の此方ではなく、その反対の窓側へ行っているのが感じ取れた。

 行ける。そう思う。残り……二。

 ……一。


今だッ!!


 ガバっと立ち上がり、窓側付近に視界をやれば女子生徒が居た。警戒していたのか此方の様子に直ぐ気が付き、直ぐに腕に装着してあるリミッターを見ないで操作した後、床に落ちているボールを拾おうとする。

「遅いッ!!」 一喝し、前に走りながら勢い良く玉を投げる。野球経験がある俺の玉は――軽々しく避けられた。

「遅いのはどっちですかッ!!」

 女子生徒は玉を拾ってしゃがむ軌道をそのまま利用して一回転したらしく、気が付けばもう立ち上がっていた。

 これが、リミッター解除状態(ハーヴェイモード)

 大人しげな女子生徒は、並ならぬスピードで左右に電光石火しながら且つ、俺との距離を埋めてくる。

「嘘だろッ!?」

 恐怖というよりも驚愕だった。まさかの展開で玉は残り三つ。もうミスは許せれないし、それ以前に狙われる。やられる。当てられるッ!!

「おわぁッ!?」

 凄いスピードで赤い何かが横切ったのを確認する間もなく、俺はすかさず後ろに転がり、その体制を維持したまま左に曲がる事で、机の影に隠れることが出来た。

 ここで体を整え、一秒も経たない間に走り出す。

――目指すは廊下。


目指すは――逃げるが勝ち男ッ!!


ご愛読有難う御座います。

さて、学年序列決定戦が始まりました!

なんと、上位入賞者には一年間ランチデザート無料券や図書券、その他役立つものが貰えます!

という感じで行きたいと思います(笑)

主人公には、是非頑張ってもらいたいです。あとテンポの方ももう少し良くしたいなぁ。

頑張ります。


それでは、有難う御座いました。

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