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恋をした  作者: 沙羅双樹
16/16

恋に破れた。だから⑥

あけましておめでとうございます

今年も拙い作品にお付き合いいただけたら、幸いです


今年が読者の皆様にとって

哀の少ない、幸の多い年でありますように・・・


目覚めてしまった時、心底、絶望した


周りはようやく私の言葉を聞こうとしたが

どうでもよかった


彼らの本質はもう知っている



ずっと人が怖かった

家族もそれ以外も

貴族も平民も大人、子ども何もかも関係なく


でも、今は人全てが悍ましい



そんな風に閉じこもっている私に

療養所に訪問する司祭が寄り添ってくれた


暴行の結果、医療に長けた隣国の療養所に入れたのは

幸運だった


ここには私の色に対する反応がない

私の持つ色はこの国では貴族によくある色ではあるが

平民でも似通った色を持つものもいる程度だ


そう言った司祭自身もまた、悍ましい存在(婚約者)と同じ銀の目を持っていた


でも、冴えわたる刃のような色を持っていた悍ましい存在(婚約者)と違って

司祭の目には年齢を重ねたせいか、それとも、人となりによるものか

柔らかい緩みがあって、私の心を優しく宥めた


そうして、私は初めて、安堵し、安寧を得た



落ち着いた後で知ったことだが

司祭のいうことは正しくもあり、間違ってもいた


司祭が持つような私の持つ色と近しい色を持つ者は

隣国で珍しくはないが

私の持つ色は隣国の、それも隣国の貴族の中でも

隣国の王家に近しい者が持つ色で

隣国でも特別ではあった


そして、隣国では王家の色を持つ人は

それだけで尊い人で、慕われる


それはこの色が出る者の魔力特性に関係していた



人は皆、いや

この世界に在る全てのモノが多かれ少なかれ魔力を持つ


魔力の属性は火、水、土、風、闇、光の6属性で

人はどれかの属性に偏っているらしい


ただ、魔力を魔法として行使できるのはごく一部の者で

魔力をある程度持ち、行使できる能力を持つ者だけが

魔法として発現できる


魔力の少ない平民はもちろん

魔力を比較的多く保持する貴族も

そのほとんどが魔法を行使できない


だから、魔力とは魔法を行使できる者以外にとって

その身に誰もが持ちながら

誰もが意識しない、その程度のモノでしかない。


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