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恋をした  作者: 沙羅双樹
14/16

恋に破れた。だから④


父は訳知り顔で窘めた

「疚しい関係になっている訳でなし

心まで縛ろうとするのは傲慢なことだ」


母は失望を隠さず、嘆き、叱った

「下位の令嬢に侮られるなんてっ

社交界の練習だと考え、己の手で噂を収めてみせなさいっ」


兄姉たちも不貞行為はないのだから

噂程度で目くじらを立てて情けない、と私に呆れ果てていた


カレの両親も頑是のない子どもを宥めるように言ってきた

「学園でもきちんとキミとの時間を取るよう言っておいたから

総会や騎士団で忙しいのは勘弁してやってほしい


・・・・・・学園はあの子の唯一、自由な時間だ


キミも友達を作り、楽しみなさい」



誰も彼もが私の言葉も状況も

そして、必死の思いでした覚悟さえ

どうでもいい、聞く価値がない、と切り捨てた


だから、私もすべてを捨てた


淡く色付いていた気持ちも

僅かに掴んでいた未来への希望も

私の目には醜悪にしか映らない人を信じてみようと思う悪あがきも


全部、全部放り出した



だって、彼らに必要なのは

私という自我ではなく、私の肉体だけ


そう、彼らが欲しいのは

無事孕めるまで成長したら、好きに蹂躙し

産むだろう私と同じ色を持つ子だけ


私という個に彼らはずっと興味がなく

どうでもいい、と示してきた


だから、私という個に手を差し伸べてくれたカレに依存した


せめて、唯一優しくしてくれたカレに自由を、と

頑張ってみたけれど、私の言葉も感情も

彼らが見るはずはなかった


そんなこと、知っていたはずなのに。


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