表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋をした  作者: 沙羅双樹
13/16

恋に破れた。だから③


その頃にはかつて大人たちが見せた悍ましい視線の意味が

己の胎に対する欲望だと知っていた


だから、自分で自分に言い聞かせた


恐ろしい行為でも

せめて恋を捧げた人が相手である私は恵まれているのだ、と


恋も心も私が勝手に捧げてしまったもので

カレにその責任を取る謂れはないのだ、と


別の人に恋心を捧げても

誠実なカレは(婚約者)を蔑ろにすることがない

それで十分なんだ、と


でも、間違いだった



真っ直ぐな人なのだ


高位貴族の嫡男でありながら

戦略を得意としても策謀には向かない

腹芸すら得意でないから、社交ではポーカーフェイスで押し切る

そんな、基本、愚直な人なのだ


だからこそ、そんなカレだからこそ

私は安心し、恋に堕ちた


でも、それは諸刃の剣であった



カレだけでなく、カレの好意を感じ取った相手の令嬢が

カレとの恋に夢中になると

まるで歌劇でよくあるシナリオの登場人物の悪役であるかのように

学園での立場を追いやられた


あっという間に私は孤立した


そも、私を追い落としたいと思う者は多くいたし

私の周りにいたほとんどが私を利用しようとする者だけで

真の意味で友誼を結びたいと思う者がいなかった


それは私という価値がその程度だったから

自業自得なのだろう


何より、基本、内向的で

幼い頃から心の大元に植え付けられた人に対する恐怖を

捨てきれない、御しきれない私より

相手の令嬢が社交的にも策謀的にも

ずっと、ずっと有能だったことが大きい



そこまで追いやられて

ようやく、私は恋に破れたことを認めた


そして、カレという未来に縋ることを諦めた


政略ならば、別の相手でいい


そう思うまで追い詰められ

ようやく、私は現状を大人たちに訴えた


でも、無駄だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ