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聖別

「じゃあ今から聖別するわよ〜!」

「エバさんがするの?」

「そうよ、これでも昔は関東最強の魔法少女だったんだから!」

少女かあ。

少女って何だろう。…少し女?


あたしが少女について考えていると、エバさんが英語じゃない外国の呪文を呟いた。

途端に室内が少し暗くなって、机の上にシナモンの枝と古びた紙が、キラキラのエフェクト付きで現れた。

シナモンの枝はペンみたいに文字が書けるようになっていて、エバさんは紙に魔法陣を描きはじめた。

「さ、この上に鏡を置いて頂戴」

言われた通り鏡を置くと、魔法陣と鏡が紙の数センチ上に浮き上がった。

魔法陣はオレンジに光って、そこからシナモンの花が幾つも溢れ出てくる。

花が鏡を覆い隠す程になると、エバさんがまた何かを唱える。

言葉の意味はわからないけど、とても美しい響きだった。

その声で花びらが一斉に散り、魔法陣と共に空中に消えていく。

リーン、と涼しい音がした。

宙に浮いていた鏡はいつの間にかあたしの手の中にあった。

シナモンの香りだけ部屋に残っていた。


「さあこれで聖別ができたわ。自分以外の人に触られちゃうともう二度と使えなくなるから気を付けてね」

室内が元の明るさを取り戻しても、あまりの美しさにすぐには反応できなかった。


少し経って、やっと「ここにきて初めて魔法らしい魔法を見た気がする」と返した。

「今は機械ででき」

言いかけたあめるをエバさんはすごい勢いで手のひらの中に閉じ込めた。

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