ほのぼのパーティ
~第八章~ほのぼのパーティ
あたしがルイたちの仲間になってからルイは変わった。ディの死から立ち直り、前よりも明るくなった。デルって子は、もともと自力で立ち直ってみたいだけどまだ悲しそうだなぁーとか思うわけよ。
「ねぇ、欠片ってあと何個?もしかしてかなりある?」
あたしがルイに聞くと、
「ん?知らない。でも欠片の大きさから予測すると、あと10~15ぐらい?」
「「多すぎ!」」
ルイはまぬけた返事をしたけど10個~15個は多すぎでしょう!?どんな壊し方をしたのよ!
「全部集めるの大変だろ?」
「そうかもね。」
……。おーいそこのお二人さん?なにのんきに『大変』とかいってるの?貴方たちのんきすぎる…。
こんなんで大丈夫なの!?
「……。来た。」
「「何が?」」
いきなり言い出したもんだからあたしたち声をそろえちゃったじゃない。
「敵。」
「あ、ホントだぁー」
「いや。あんた達のんきでしょう……。」
次々と敵が襲い掛かってくる。それらをあたしたちが切ったり、音で倒したり、魔法で追っ払った。最近の敵は弱すぎてつまらない。だから最近はほのぼのしていて緊張感が無い。
「ねぇサラ、強い敵出してよ?」
「は!?無理だから!」
いきなりルイが言い出すもんだからびっくりしちゃった。
だいたい、あたしのフルートはできないこととできることがあるの!
「なあ、石はどこだ?最近はルイの反応がないが、ちゃんと石のある方向に歩いてるの?」
「それもそうね。どうなの?ルイ。」
あたしが聞くと、ルイはビクッとした。まさか……。
「えーと?何の事かなぁ?」
「「わからないで歩いてるのかい!」」
どうやらあたしたちは当てもなく歩いていたようだ。
今までの苦労はなんだったのよ。まだ石はあるんだから!
とかあたしが思ってたら、ルイがうーんと考えている振りをしていた。
そう。振り。本当に考えているわけではない。あたしはルイと一緒にいた時があった。ルイの行動はわかりやすぎてなんか逆にイラつく。
「でもこっちにあるような…。無いような……。」
「「どっち!?」」
まただ。どうやらあたしとデルは気が合うようらしい。
それからあたしたちはルイをボッコボコにして、野宿をするところを決めた。
「じゃ、話をまとめるよ?このままだと何も進まないから。」
「「リョーカイ!」」
あたしが二人に話しかけると声をそろえて言った。
どうやらデルは声をそろえるのが得意?らしい。
「えーと今の状況をまとめると、石の欠片が六個集まっている。そしてルイが反応をしない。かなり広い範囲を歩いても反応しないってことは……。」
あたしが話し終える前にルイが、
「残りのやつはほかのやつの手によって僕にばれないようにしていると思う。」
と、いうことは、すこーし大変なことになっているってことか。
てか、わかってるなら、さっさといいなとか思う。
「じゃあ、どうすんのさ。わからないなら手のうち用が無いじゃん。」
「デルの言う通りだわ。ルイ。なんか手はある?」
うーんと今度は真剣に考える。
10分たつと、
「わかんなーい。てへ♪」
とかわいらしいポーズをとった。むかついたからまたボッコボコにしてやった。
痛い痛い言ってるが無視をして、そのままねた。もうこの調子じゃあ何も進まないと考えたから。
このとき、あたしたちはもう残りの欠片がある人物の手によって集められ、ルイの大切な人を生き返らせると、知る由も無かった。
『ボス。ご命令どうりに死んだ振りをしてきましたが、ディを殺したあと、新しいサラという音使いが仲間に入ったようですが。』
『ふむ。そいつは強いのか?《ナイト》』
『……。音は防げないので強いほうだと思われます。』
『そうか。あと、石はまだか?さっさとしろ。』
『すみませんボス。石はほかのやつの手によって集められたようです。』
『なに!?それは本当か!』
『ええ。そいつの名は、人形師《由布璃》(ゆうり)。私や、ルイ、サラ、デルなどを作った張本人です。』
『確かそいつの名前は偽名だったな。ナイト。本名を調べ、そいつが何のために石を集めてるか調べてこい。』
『御意』