立ち上がれ!新しい仲間と!
~第七章~立ち上がれ!新しい仲間と!
あれから二ヶ月がたった。でもルイはあのまま。この二ヶ月で僕は立ち上がれたけど、ルイはまだだった。少しは立ち直ってきたけどね。僕は欠片をさらに六つにした。ルイはそれを受け取るようになった。ルイを見るととても心がちくちくする。
『あそこにいるのはルイ!?』
どこからか声が聞こえた。ルイの名前を呼んでいるから知り合いか?
「お前は誰だ!」
僕がルイの前に立ち戦闘態勢に入った。が、
「デル…。その子は敵じゃないよ……。仲間。信用していい。ね?サラ?」
サラと呼ばれた人形は、一見、お嬢様に見えた。僕と同じマリオネット形の人形。フルートを持っていた。
「ルイ!?ディは?それにどうしたの?やつれているよ!?」
タタタッとルイの元に駆け寄った。
「ディは……。二ヶ月ぐらい前に……。死んじゃった。」
「……。そっかぁ。それでルイはこんなんに。」
ポロッと、涙を流した。あいつもディの知り合いか。
「君は誰?ルイの友達?」
サラって子が僕に話しかけてきた。
「うん。デルって言うんだ。よろしく。」
「よろしく。あたしはサラ。楽器使いよ。」
僕等は握手をした。それからサラはフルートを出し、
「二人とも。悲しんでちゃディの浮かばれないよ?あたしが曲を吹くから曲が終わるまで悲しんでていいよ。でも曲が終わったらもう悲しんじゃだめ!いい?」
彼女の言うことははもっともだ。僕等はうなずきサラは美しい音色を奏でた。
10分ほどで音色がとまった。不思議と心が落ち着いて、立ち直れるようになった。
「ありがとう……。サラ。ボクはもう平気だよ。ディ…!だから安心してオヤスミ……。」
笑顔を見せて、ルイは立ち直った。あとからサラに聞くとサラの奏でる音色な色々は作用があるらしい。
「ねぇ、あたしも仲間に入れてよ!」
「いいけど、何で?ボクの石の欠片を探すたびだよ?」
「ディがいない今、おとぼけのルイを何とかできるのはあたししかいないっしょ!」
「失礼だなぁ。」
二人で笑ってた。ルイの笑顔を見るのは久しぶりだ。それから僕等は色々話した。ナイトの裏切り、ディの死……。途中で涙を流したけど、それでも笑った。ディが死んでまもなくの痛々しい笑顔ではなくきれいな笑顔。
「サラはさぁ、どんな攻撃をするの?」
僕が聞くと、
「あたしは、フルートを奏でて、曲ごとに作用が違うの。」
「そうそう。中にはこわーい曲もあるよ!」
くすくすと笑い夜は更けていった。
朝僕らは大勢の敵と会った。
『おや?ナイトがここに戦えなくなったルイがいると聞いたが、きちんとしているじゃないか。』
ナイト!?あいつは死んだはず……。なぜここでディが死んで、戦えないルイがいると伝えられた?
まさか……。生きてるとか?
「お前ら……。ナイトの仲間か!?」
『だったら?』
「「「倒してやる!」」」
僕ら三人は声をそろえていった。サラはフルートを奏で始めた。
『こんなときにのん気にフルートを吹いてていいのかなぁー?』
サラに襲い掛かろうとしたが、敵の動きが止まった。
『う…動けない…?』
「のん気に吹いてないよ?【呪縛の音】(じゅばくのね)」
なんかこっちまで縛らせそうな曲が聞こえる。
「【滝竜】(そうりゅう)」
ルイが技名を言うと、滝のように竜が落っこちてきた。
『くっ。行け!あいつらを倒せ!』
次々と切りかかってきた。さすがにこの人数は多すぎ。
「僕も負けてられないな。【水剣】(すいけん)」
水でできた剣を持ち、切りかかった。
時間はかかったけど、何とか倒した。ナイトの仲間だけあって結構強かった。色々聞き出したかったが、そんな暇は無かった。
ナイトは生きているのか?石は元に戻るのか?そんなことは僕らは知らない。ただただ前に進むだけだった。