ディとルイの出会い
~第三章~ディとルイの出会い
私はお二人に出会ってから気になっていたことを聞いてみました。
「ところで、なぜ貴方達は出会ったのです?と、言うかどんな風に出会ったのです?」
私がディとルイ様に聞くと、ルイ様が、
「話すと長ーいよ?良いの?」
「私は構いませんが。しかし、ルイ様は、とても愛くるしい。嗚呼、今日もとても美しい。」
「ハイハイ。うざったいから止めてね。あと、様付けはやめて。」
「……。わかりました。では、お嬢様、ディとの出会いを教えてくれますか?」
お嬢様は、その呼び方もなぁ、とか言いながら話し始めました。
嗚呼私の出番がない…。
ボクは体の中に石を入れていたんだ。盗られないように。けどその所為でボクはいっつも追われている始末。石が目当てのドロボーにね。まぁボクはそれらを倒していたんだけど、めっぽう強い奴等に周りを囲まれたんだ。逃げ場がなかったの。ボクはかなりの数の敵と戦ったから、疲れていてもう魔法も出せなかった。
『クク。さぁ大人しく石を渡しな。もうお前は何もできまい。』
「なぜボクの石なんだ?他の石でも力の増幅や、体を動かすことが出来る筈だ。」
ボクはその問いを、何度も何度も繰り返してきた。そして皆こう答える。
『あんたの石はかなりの魔力があり、そして強くなれるからだよ。』
と。皆必ず石は何かしら持っているはずだ。そのおかげで動けることができるから。
ボクはその答えを聞くと少し固まってしまった。なんでボクはこんな石を持ってしまったのだろうと考えていたからだ。その時敵は切りかかってきた。避けきれない。ボクは死んでしまうのか?
『おいおい。女の子相手にその人数はないだろう?』
どこか気だるそうな声が聞こえた。トコトコとこっちに向かってきたクマの人形。
『お前は誰だ?こいつの仲間か?』
敵はボクを指しながらそいつに聞いた。
「いーや。そいつは知らないが、女の子がやられそうなんだ。此処は男の俺が助けないとなぁ?」
うんうんと、うなずきながら話していた。ボクはね、そいつのことは最初嫌いだったの。だけど助けてもらって、解った。あいつは、仲間を失ったことがある。だから誰かまわず助けたいんだと。
「さーて、俺の相手をしてくれるかなぁ?クズ!」
トントンとはねながら挑発をしていた。
『誰がクズだぁぁぁぁぁぁぁぁ』
あいつらはクマの人形に向かったの。でも一瞬でやられた。強かった。
「弱っ。……。大丈夫か?」
「え?ボク?」
「お前以外に誰がいる。あぁそうだ。答えたくないなら答えなくてもいいがお前、封印と増幅の石を持つ人形か?」
ボクは、戦闘体制に入ったが、すぐ止めた。あいつはボクから石を奪う気はないと思ったからだ。
「……。そうだけど。君もボクからこれを奪うの?」
「いいや。興味ねぇ。だが、お前と一緒にいれば敵に困らないな。」
興味ない。初めて聞いた。ボクは目を丸くしてしまった。
「……。つまりボクと仲間になりたいと。そういうこと?」
「あぁ。俺はディ。武道家だ。仲間になって良いか?」
「いいよ。ボクはルイ。魔法使い。よろしく。」
ボク等は自己紹介をして旅に出たの。
「ということ。」
私は驚いてしまった。彼女が持っている石はとても珍しいのだと始めて知ってしまったからです。
「おい、ルイは何で俺が大切な人を亡くしたとわかったんだ?」
「あぁ、私も不思議なんですけど、何故なんですか?」
私達が聞くとお嬢様は、首をかしげながら、
「えー?だってディの戦い方がそうだもん♪」
鋭いお嬢様だ。一時期ディと旅をしていてその時に大切な人を亡くしてしまいましたもんね。
「……。やっぱお前すげぇわ」
「へっへーん。すごいでしょう?」
「ええ。とてもすばらしいです。」
お嬢様は鼻を高くしている。嗚呼今日も美しい(二回目)。
三人でそんな事を話しながら歩くと私は敵の気配を感じました。おそらく2人も気づいたんでしょうか。私達は戦闘態勢に入りました。お嬢様は杖を前に出し、魔法を出す準備。ディは構えていて精神を統一している。私は剣を抜き、切る準備を。
「ねぇ、そこ居る人形?出てきなよ。」
お嬢様の言葉に反応して、ざっと10人ほどでできた。
おそらく石を狙っているのだと。
『さあそこのお譲ちゃん?大人しく石を渡しな。』
「嫌だ。」
きっぱり答えると敵は襲い掛かってきた。
「【風竜】ほらほら、避けないと飛ばされるよー!?」
お嬢様の杖から風を纏った竜が出てきた。それに当たった敵は飛ばされてました。なるほど。だてに石を持っていませんね。強い。
『ふん。まだまだいるぞ?』
な!後から後からぞろぞろと出てきました。多勢に無勢。不利ですね。
「バーカ。必殺!【炎の竜巻】!」
ディは逆さになり回転した。そこから炎が出てきて、敵を焼いた。
『くっ。次は俺達の番だ!行け!【百列切り】』
百人ほどの剣を持った人形が私に襲い掛かってきた。私の敵ではないですね。
「遅い。【オウム返し】」
私の技で敵は居なくなった。
「結構強いね。驚いた。」
お嬢様は目を丸くして驚いておりました。
「とうぜんです。お嬢様をお守りするんですからこれ位じゃないと。」
お嬢様のお手をとり、ひざま付くと、
「おい。ナイト、お前こいつにぞっこんなのはいいが、嫌がってるぞ?」
「……。そうですね、でも私はお嬢様とお守りするために生まれて来まs……。」
私が言い終わらないうちに、お嬢様が私を魔法で飛ばしました。嗚呼やはりお強い。
「さ、行こう!」
「いや、ナイトは?」
「いいの。早く来ないと置いていくよー?」
「「……。酷い。」」