新しい仲間
~第二章~新しい仲間
「ねえ、ディ。この欠片どうしよう…。」
ボクは手に入れた欠片を持ちながらディに聞いた。
「落とさないようにどっかにしまっとけ。」
「だーかーらー。そのしまう場所がないのー。」
「知るか!」
そんな会話を何時間も続けているんだけど…。
『知るか』ってなんだよーう。ひっどーい。
悪魔のデルを倒してからというもの、欠片が見つからないの。
欠片が一つあれば大体の場所はわかるんだけど、反応がないんだよなー。
「なぁ、何で石は壊れたんだ?」
「あぁ、ボクが落として壊しちゃったの。その欠片が色々なところに飛び散っちゃったの。テヘ♪」
ボクは可愛らしいポーズをとった。けど、
「『テヘ♪』じゃねえ!」
「キャーこっわーい。」
ボコ!×13
「あーいったい。」
「お前な…。魔法でガードするんじゃねぇ!こっちがいてーだろ!」
ディはボクを殴った手を押さえながら言った。ボクを殴った罪だぁー。
「ゴッメーン。」
「お、町だ。」
ボク等の目の前には、大きな?(ボク等人形から見たら)町があった。
都会っぽい風景がある。
ボク等が此処に来たわけは、仲間集めだ。ディが言うには此処にディの知り合いが居るらしい。
「ほら。早く入るぞ。」
「う、うん。」
大きな門を入ると、賑っている繁華街があった。
ディがこっち来いって言ったからついていくと、酒場に着いた。
「アレー?昼間からお酒?体に悪いよ?」
「違う。此処に俺の知り合いが居るんだ。」
なーんだつまらないの。なんて言ったら、怒られるから言わなかったけど。
ギギィ。 ザワザワ
「お酒の匂いがすごい…。」
『おーい!ディじゃねぇか!こっち来いよ!』
どこからか大きな声が聞こえた。と、その途端酒場が静かになった。
『『『『『『ディ!?』』』』』』
みんなが声を揃えてディの名前を呼んだ。
「何?有名人?」
聞くとディは、
「おう。ただいま。」
と、いった。無視された。
『その隣にいるねぇちゃんはおめぇの彼女か?』
「いいえ。違います。」
ボクはぴしゃりと言ってやった。ボクが、アイツの彼女?あり得ない……。
「おい、バカは居るか?」
『バカか?居るぞ?』
「どこだ。」
『バカではありません。ナイトです。』
奥から出て来たのは、髪が少しカールして、それを後ろで一本結び、体に鎧をつけ、腰に細い剣をさした人形だった。騎士かな?
「おや?貴方にもとうとう彼女ができました?」
「ちげぇ!こいつはただの知り合いだ!」
ディが強く言った。やっぱ嫌なんだ。
「そうですか。つまらないですね。で、私に何の用です?」
「また、俺と旅しねぇか?人手が足りないんだ。」
腕を組みながらナイトとか言うやつに話してる。
「え?この人が一緒に旅する人?」
また男か……。女も入れてよね。プンプン。
「まぁいいですよ……。その代わりそこのお嬢さん……。私がお嬢さんの白馬の騎士になっていいですか?」
ボクの前にひざまづいて、どこからか薔薇を出してきた……。
なんか、キモイ。
「ルイ。無視しとけ。こいつの名前はナイト。まぁ、見て通りのバカだ。」
「バカとは失礼な。貴女は、ルイさん…ですね?とてもお綺麗で。よろしくお願いします。」
ぺこりと深くお辞儀をした。
「あ、うん。よろしく。」
ボクも少し頭を下げた。何だかな…。バカだな。
「あ、ねぇディ。なんでさぁ、君が入ってきたときに、皆が声をそろえて君の名前を呼んだの?有名人なの?」
ボクはディに聞いたのにナイトが、
「それはね、ディは昔にこの町にきた魔物を倒したんですよ。その魔物はとても強く、私達ではとても敵いませんでした。だけど彼は、たった一人でその魔物を倒した。その姿はとても勇敢でこの町のヒーロー的な存在になっているのです。」
ディは、腕を組みながらそっぽを向いている。少しだけ顔が赤い。照れてるんだ。
「へー。すごいね。さっすがディ!」
ボクはもっと赤くしてやろうと思い、褒めてみた。
「……。あ、あのぐらい朝飯前だ!」
そんな意地っ張りにボク等は笑ってしまった。
ボク等の仲間が増えた。とても変な人形。さぁ、強さはどのくらい?