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後編

「な、なぜ……」


「なぜ? それを殿下が仰るのですか? 私の大切な方を貶めておいて?」



 本来は、ライグ以上に庇護欲を誘う愛らしいご令嬢。恐らくはライグも、そういった部分が気に入っていたのだろうが、現在、バッサリと切り捨てられて、真っ青になっている。



「私は、ユミル様にとてもよくしていただいたのですっ! 不慣れなパーティでも気にかけていただいて、至らない部分も教えてくださって、時には、助けてもいただいて……それなのに、それなのにっ!」



 ユミルに散々嫌がらせをしたという発言は、当然のことながらリィンも聞いている。そして、それを許して愚かな第二王子を取るなどということを、リィンは自分に許してはいなかった。見た目はフワフワしていようとも、とても芯の強い女性なのだ。



「リィン様、わたくしは大丈夫ですわ。ですから、そんなに手に力を入れてはいけませんよ。その綺麗な手が傷ついてしまいますわ」


「ユミル様……」



 相手は第二王子。いくら、現在放心状態であるとはいえ、男爵令嬢ごときが意見できる相手ではない。ユミルの言葉で、その憤りを鎮めたリィンの目は、それでも、冷たくライグへと向けられる。



「ユミル様、本当に、よろしいのですか?」


「えぇ、もちろん。わたくしは、殿下を愛しておりますので」



 どうしようもない第二王子を優秀な公爵令嬢が一途に愛するその状態は、誰が見ても公爵令嬢の献身にしか見えない。しかし、公爵令嬢本人の表情はとても幸せそうで、それを指摘する者は誰一人として存在しなかった。


 それから時間が流れ、その瞬間はやってくる。



「これで、一年が経過しましたわね。殿下」


「あ……あぁぁ……」



 リィンにフラれてからは、泣きながら、懇願するように婚約破棄を訴えていたライグだったが、その瞬間は、リィンにフラれた時以上に真っ青になっていた。



「さぁ、踊りましょう。もう、逃げられませんわよ」



 耳元で囁かれた、冷たく、愉悦を滲ませたユミルの言葉に、ライグはこの後の人生を想像して、絶望の表情を浮かべた。

多分、ここまで読むだけじゃあ物足りないはずっ。


あと三話で、色々実態が判明しますよ〜


それでは、また!

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