8日目·····Two Knights
夜の1件を見てから私は悩んでいた。
『女王を倒す』
ことのリスクに。
チャンスは1度だけ。
女王を倒し損ねれば死ぬ。
しかも倒しても帰れるかは分からない。
そして女王の騎士。
昼は女性らしいがきっと騎士だから強いんだろう。
夜のシルバーさんも言わずもがなだ。
どうしよう·····。
外の木陰で座りながら考えていると
「あれェ?前会った子だねェ。」
と木の上から声がする。
「チシェさん?」
「そーだよォ?」
木からスタっと降りてきた。
「なんか深刻そうな顔してるネ。話聞こうかァ?」
ニコニコしながら聞いてくるから何も考えずに話した。
すると
「あー。また大変なこと考えるネ。」
と少し怖い顔をしていた。
「僕の夜の姿の時に絶対言っちゃダメだヨ?」
「え?」
聞こうとした瞬間
カチッ
「おやァ時間だネ?早くおうちに帰りナ。」
光に包まれ私は豚になる。
目の前には見たことがある青年。
「ん?迷子か?」
冷たい視線を送ってくる
「そ、そうなんです!あなたのお昼の姿の方に送って貰ってて·····。」
「そうか。なら送っていく。俺はシルバー。女王陛下の夜の騎士だ。」
「もうすぐそこなので大丈夫です!ありがとうございます!!お昼の方は誰なんですか?」
と敵を知るチャンスだと思い聞く。
「あぁ、それは·····」
「シールーバー!!」
と小さい女の子が走ってシルバーに飛びつく。
「キャンティやめろ危ない。」
「えーだってー!」
「すまない。こいつが昼の騎士。わかってる通り夜の姿がこれなだけだ。でキャンティ何の用だ?」
「お姉ちゃんが呼んでたよ?」
「なっ·····。早く言え!すまない失礼する。」
すごい速さで走って行ってしまった。
「豚さんだ!背中のる!」
「あ、いいけど·····」
キャンティと呼ばれた少女は背中にとびのる。
「ひひーん!」
「馬じゃないよ?」
「いいのいいの!」
「そういえばお姉ちゃんってだれ?」
「んーとねーお城にいるきれーなお姉ちゃん!」
「もしかして女王のこと·····?」
「多分!!私はキャンティでお姉ちゃんと暮らしてるの!シルバーもね!」
どうやら2人の騎士は常に女王といるらしい。
しばらくキャンティを背に乗せ夜の街を散歩する。
「あ!」
いきなり背中から飛び下りたと思うと
カチッ
と鳴る
人間に戻った私の前には小柄だけど凛とした綺麗な女性。
「おや?貴女は?」
「夜の姿の方が·····。」
「はぁ·····またキャンティか·····すまない。私は城に戻らねば。」
「あの!貴女は?」
「ふふ。知らないか。私はレイル。女王陛下をお守りする騎士だ。では。」
シルバーと同様すごい速さで城へと戻って行った。
2人の騎士も女王の力の影響を受けるようだ。
でも側近にまでってどうして?
2人の騎士に会ったことで私はさらに女王についてわからなくなってしまった。