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Prepare for the night.

目を開くと自分の体は人間に戻っていた。

そして辺りは明るい。

目の前の翠さんも慧さんへと戻っていた。

「おはよう。美世ちゃん?大丈夫?」

「慧さーん!」

思わず飛びつく。

「どしたの?」

「実は·····。」

と夜の姿の慧さんを見たこと。

女王に会ったこと。

夜の姿を豚にされて危うく追い出されそうになったこと。

を涙ながらに話した。

「豚にされちゃったの·····。」

と慧さんも苦笑している。

「どうしましょう?!」

「うーん。夜の記憶はないし·····でもお昼の美世ちゃんは家事とか手伝ってくれて助かるからいて欲しいし·····。」

2人で考える。

「もし良ければ外に犬小屋みたいに作ってもいいなら多分許してもらえますよね?」

「まぁ多分?でも美世ちゃんはそれでいいの?」

「全然平気です!体温とか性質は豚なので!」

自分で言ってて悲しくなってくる。

「というか、美世ちゃん夜の記憶あるんだね?不思議だ。」

「え?最初の日ってそんなものかと思いました·····。」

「いや僕もみんなも最初女王と会ってから昼になるまでの記憶がないよ?」

絶句した。

ここでだけちょっとしたチート能力的なのいらないから!!

あったとしても夜は豚!

豚だから!

いつまた夜になるか分からないということでその事は後回し。

とりあえず私が夜過ごす小屋を作ることに。

2人で資材を買いに行って一般の豚が入るぐらいの寸法に切り家の横に組み立てていく。

2人でやったので時間も1時間ほどで出来た。

雨が降ってもいいように加工もして。

さっきの話をしようと家に入った瞬間


カチッ


入れ替わる合図。

また辺りが光に包まれる。

目を開くと目線が低くなっている。

間違いない、豚の姿だ。

改めて豚にされたことを実感し涙がこぼれそうになる。

そして見上げると汚いものを見るような目の翠さんがいる。

「翠さん!お願いします!小屋作ったのでそこにいるので!置いてください!」

相手が何か言う前に言う。

「家に入ってくるなよ。」

と言って翠さんは家の中に戻っていった。

1人小屋に入る。

慧さんが毛布を入れてくれていたので寒くはない。

見た目は豚だけど中身は人間。

ぼーっと考える。

『元の世界の方が良かったのかな?』

『お母さんとか心配してるかな?』

『なんで私がこんな目に』

『私が可愛かったらこんな事には·····』

『早く帰りたい』

悲しみの感情が溢れる。

こんなに過酷なものなんて想像してなかった。

もっと順風満帆なチートライフが送れると思った。

あれこれ考えてるうちに女王への怒りも込み上げる。

『てか何なの?!あの人!ちょっと綺麗だからって!』

『最初私を見て醜いって言ったし!』

『醜いならもっとマシなものにしろよ!』

『私はおもちゃじゃない!』

『女王を倒せば帰れるんじゃないか?』

その考えが頭をよぎる。

でも私は豚だ。

昼間は人間だけど魔法が使えるわけでも格闘技が出来るわけでもない。

対して女王は魔法を使う。

かなり強そうだし·····


でも帰りたいなら女王をどうにかするしかない!

なら仲間を集めよう!

一人じゃ無理かもしれないけど大勢いれば!

早速翠さんから!

「あの!翠さん!!」

ドアを開く

「黙れ。」

蹴飛ばされ外に出る。


簡単にはいかないようです·····。

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