第一部 人間観察
翌日の夕方…校長室にて…コンコン…
光山「どうぞ~」
大村「失礼します!」とドアを開けて
一礼してから胸ポケットの
内から1枚の封筒を
大村「校長先生お願いします』と
言いながらも渡してきた
それは辞表であった
光山『判りました…一応こちらは
お預りします、ただし以前も
お伝えしましたが焦らずに
じっくりと考えて
結論を出して下さい
今後のあなたの人生なの
ですから、あとすみませんが
樫木さんと教頭先生を
呼んできていただけますか?』
大村『判りました失礼します』と
再び一礼してドアを開けて
校長室を後にした
それから30分後…校長室にて…
コンコン…
光山「どうぞ~」
樫木『失礼します』とドアを開けて
一礼して入ってくる
そして後から続いて…
国枝『失礼します、校長先生
お呼びでしょうか?』
光山『忙しい時にお二人とも
すみません!少し伺いたい事と
確認したい事がありましてね、
単刀直入に申し上げますが
大村先生と交際されていますね!
正直に答えて下さい』
少し考えて樫木は答えた…
樫木『はい‼その話は事実です』
国枝『何という事が、現実にある
なんて今後はどうしたら
良いのでしょうか?』と驚いた
表情を見せている
光山『国枝先生!焦っても仕方がない
事でしょう、しかもあなたは
管理職であり教頭なのですから
もう少しどっしりと何でも
ござれと構えてください
上に立つもの人生預かりし者と
いう言葉があるじゃないです
か、率直にいってこういった事
がない方が不思議かと思います
けどね、人を好きになるのに
年齢や理由は必要なので
しょうか?それは自由だと
思いますよ』
国枝『いやしかしですね』
光山『しかしも何もありません‼
先程大村先生にも確認しました
けれども正直に認めましたよ、
通っていた塾で知り合った
そうですね』
樫木『はい‼初めは正直に取っ付き
にくい人でやりにくいなぁ~と
思っていたのですが、
自分のペースで焦らず少しずつ
で良いんだよその一言で段々と
先生の事を意識し
始めたのです』と少し顔を頬が
赤くなってきている
光山…(心の声)率直に言って樫木と
いう生徒は大人しく良くも悪く
も普通の子と言うのが皆一致し
た考えだったのでここまで
はっきりと言葉を紡ぐ様に
答えたのは以外だった
光山『樫木さん、ならば率直に
伺いますが、大村先生のために
全てを捨てて、全てを失っても
一緒になりますか?全てというの
はご家族や友人や知人も夢もと
いう意味です、その覚悟は
ありますか?じっくりと考えて
答えを出して下さい!
あまり急ぎはしませんが、
可能ならばなるべく早めに
お願いします』
少し驚いた様な表情で
樫木『判りました…少し考えさせて
下さい…失礼します‼』と一礼
してから小走りにドアを開けて
校長室を退室していった
国枝『校長先生考えが甘いですよ!
教師と生徒の恋愛なんて
言語道断です
早急に大村先生の後任を
探さなければなりませんね、
樫木さんもどうして大村先生
だったのでしょうね~このまま
では下手したら自分も
退学でしすし』
光山『教頭先生、あなたは人を好きに
なるのに職業は関係しますか?
全く関係ないとは言いません
が、異質な者は排除せよという
のはいかがなものかと
学校教育は人間を育て、
その後の社会人や新たな学問に
送り出すための準備をする
場所のはずです
観見二眼を
怠るなかれですよ
私の仕事は人を見る事と
心を読む事とそして人を育てる
事です、それは国枝先生あなた
も当然含まれている事を
お忘れなく、学力だけではなく
人間として育てていく、
いうならば人間力の基礎と応用
とでも申しましょうか、
学校という場所はそうでなけれ
ばならないはずです!
それができないのならば
学校教育は破綻するのでしょう
意外と問題は見えない所で
起きているものですよ
なぜ私が授業中や休憩時間に
廊下から生徒達を見ていると
お思いですか?
生徒や先生方の心を見たいから
ですよ、ほんのわずかな
些細な変化を見逃すと大変な事
が起きるかもしれませんしね』
観見二眼=目には観の目と見の目があるが、観の目を強くし、見の目は弱くする。 離れた所の動きを掴み、
身近なものは離して見る事が最も大切であるという意味だそうです。