第一部 始まり
光山が赴任してから1カ月が経過した
ゴールデンウィークの休みが終わった翌日からのお話です
物語は1本の電話から始まります
プルルルル…プルルルル…ガチャリと
受話器を取る
山下『もしもし暁高校で
ございます』
電話主『もしもし暁高校ですか、
先日お宅の学校の大村先生が
中学生か高校生か
判断がつかないんだけど
手繋いでいかにもデート
してますって感じで
これってまずいのでは
ありませんか?』
山下『わざわざご丁寧に
連絡ありがとうございます、
おっしゃる件に関しましては
今伺ったばかりで詳しい事が
はっきりしないと
判りませんので失礼します』と
そう言ってガチャリと受話器を
下ろして電話を切った
後日校長室にて…ノックをする国枝
光山『はい、どうぞ~』
国枝『失礼します』とドアを開けて
入ってくる
光山『教頭先生どうされましたか?』と
書類から目を離して
国枝に視線を向ける
国枝『校長先生に至急、大村先生の件
でご相談がありますというより
は決定事項かと』
光山『決定事項といいますと…』
国枝『大村先生がどうやら本校の生徒
か他校の生徒か不明ですが
交際しているという
話がありまして』
光山『仮にそれが本当だとしたら
大村先生は実質クビということ
でしょうか、スクールロイヤー
の先生にもその件は
話されましたでしょうか』
国枝『実際に二人がデートしている
という噂や目撃した生徒もいる
ようですし、スクールロイヤー
の先生にはまだ話して
いませんが…』と少し苛立った
様子を見せている
光山『それだけでは何とも言えません
よね、写真とか動画とか
あるなら別ですが、
確証がないのですから』
国枝『1度話をしていただけます
でしょうか』
光山『判りました!国枝先生少し
伺いますが、教師と生徒の恋愛
は犯罪ですか?』確信があるわけ
ではないがドラマや映画でも
見る機会はあったので率直に
聞いてみることにした
国枝『犯罪ではないかもしてませんが
地方公務員法に抵触する
可能性があります』
光山「う~ん、犯罪ではないが倫理的
問題だと言いたいわけですね!
分かりました」
国枝【それでは失礼いたします】
そう言ってドアを開けて
一礼をして校長室を後にした
光山『高校の校長は、こういうのは
それなりにあるんだろうな
とりあえず話を聞かないと…』