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別の世界に行ったら男の娘をやるハメになったボクの話  作者: くうや
第六章 男の娘メイド・竜戦編
105/134

第百二話 「死浚いの風」

2016/11/01 ルカの旗名変更

2016/12/11 死浚いの風フレースヴェルグの描写間違い修正 後書きにスキル説明記述追加

《システム:識別不能スキルによりダメージを無効化されました。》

《システム:観測不能スキルによりダメージを無効化されました。》

《システム:残りMP19%を切りました。》


「お、おお? これはどうしましたかどうされましたか? 先程よりキレが―――」


戯れの神雷ソーンペオース!! 霹靂の弓エイワズソーン!! 厳冬の白霜ハガルソーン!!」


フヴェズルングとニーベルン・ダクテュリオイによる剣戟を受けてソイツは場所をズラしたように回避する。

こちらの攻撃はヒラヒラとはためくローブの端すら捉える事が出来ず、ソイツは13の猛襲全てをユラユラと揺れながら躱す。

そして隙を狙って放ったスキルもソイツへ当たる前に消滅し、逸れたいくつかは激しく落ちて土を巻き上げたり大地を凍らせる。



《システム:識別不能スキルにより状態異常、ダメージを無効化されました。》

《システム:観測不能スキルにより状態異常、ダメージを無効化されました。》

《システム:残りMP17%を切りました。》



止まるな、隙を与えるな、立ち止まるな……。

無効化にしてると言う事は何かしらあるハズなんだ。

―――待て、

何でこの人はスキルを避けもしなかったのに、フヴェズルングとニーベルン・ダクテュリオイの剣攻撃は避け続ける?


「リスリム!!」


「な、何だ侍女!?」


「今すぐ防御魔法で自分たちを守るって出来る!?」


「で、出来ん事も無いが……何故だ!?」


「説明してる暇ない!」


何でかなんて聞かれるけど、ここでそれを言えば相手にも聞こえるし対策を取られかねない。

この白ローブの人は確かに魔法を始めとしたスキルが一切効かない。

けど、土の上を歩いたり剣戟をワザワザ躱すって事は物理的・・・な影響は少なからず受けているんだ。

そしてさっき光撃を放っていた大竜は全部空中で止まったまま……さっきの激しさを考えると違和感がある。

もしかしたら――――――



「ガルァアアアアアアアアアッ!!」


「ルゴァアアアアアアアア!!」


「うわっ!? ハ、厳冬の白霜ハガルソーンッ!!」


「主よ!!」


《システム:識別不能効果によりダメージを無効化されました。》

《システム:モンスター情報・厳冬の白霜ハガルソーンにより氷結状態となりました。》

《システム:残りMP13%を切りました。》


咄嗟に放ったスキルは竜の顔を白く染めると弾けて霧散する。

そして危うく竜の攻撃をモロに受けそうになった所をフヴェズルングが剣で弾き、ボクを助けてくれる。

バックステップしながら距離を取れば地に居る竜は這い回りながらこちらを囲う。


銀の車輪ラッド銀の車輪ラッド銀の車輪ラッドッ!」

《システム:スキル・プレイヤーを含む召喚獣、PTメンバーが銀の車輪ラッド状態となりました。》


矛先がリスリムたちじゃなくてこっちに向いた分、いくらかマシと考えるべきか……。

しかしコイツらも魔法効かないし、アイツと一緒にどうにかしなきゃ色々マズイ。


「侍女ぉ!! こっちは良いぞ!!」


リスリムから防御魔法展開が出来た声が上がる。

振り向けば後方で光の幕が兵士たちの頭上に何十、何百と浮かび、淡く光る。

―――どうする。

このままアイツだけを狙って地面を巻き込んだ一撃を打ち込むか?

でも、その間この竜がリスリムたちを襲ったら……。

そしてそんな迷うボクの思考を読んだかのように綿毛のように舞い、戦乙女たちの剣戟を躱し続ける白い影は、首を傾けてにやぁ、と嗤う。



《システム:残りMP10%を切りました。黄昏を染める指輪ニーベルン・ダクテュリオイによる断続消費MP継続不能な為、スキル解除されます。》

《システム:残りMP10%を切りました。アイテムを使いますか?》


途端、乙女たちは光となり消え失せ、12本の剣は乾いた音を立てながら土へ突き刺さる。

同時に空の竜も突然声を上げる。


「ま……ずい!!!」


残る召喚スキルはフヴェズルング1体。

対して相手は大地と空中合せて50体近く……。

―――そして後ろにはリスリムたち。



「ク、くハ! くはハははハハはハッ!! 良いですね楽しいですね素晴らしいですね!?

次は告ぎはツギはどんな手を見せて下さるのでぇえええええええええ!!」



狂ったソイツに同調して地を這う影はクモのような動きでこちらへ迫る。

頭上には先程の発光が淡く射す。

逃げ場は、無い。


《システム:モンスター情報・厳冬の白霜ハガルソーンによる氷結状態が解除されました。》


ソードソウルでお馴染みの無機質な彼女の声がスローモーションの光景の中で鳴り響く。

それはいつも通りの、棒読みの内容だ。


絶望に立たされたと認識した脳は過去を遡り、経験した物を手当たり次第に再生する。

それは何十本もある映画を同時に巻き戻すような、そんな光景だった。

そしてそんな中で耳を過ぎる、一言……。


『―――オレの印象だとユウはその圧倒的な力で蹂躙する戦い方か、相手を翻弄しては虚を突く戦い方をする』





「―――――――――灰燼へ誘いし焔レーヴァテイィインッ!!!!」


《システム:スキル・灰燼へ誘いし焔レーヴァテインを重複発動しました。》

《システム:残りMP2%を切りました。アイテムを使いますか?》


迷わずYESと自分は答える。


《システム:アイテム・叡智の水を使用致します。MP全回復を確認致しました。叡智の水・残数652個となります。》



竜の足元を吹き飛ばす形でレーヴァンテインを豪雨の如く落しまくると攻撃により大地は吹き飛び、熔解した土や岩は飴色に染まりながら飛び散る。

そしてその衝撃を受けて竜はその身を宙に舞わせ、白ローブの影も巻き込まれる形で身体が浮いている。

アイツを始め、竜は魔法が効かない。

そして物理攻撃が効いたとしてもあの巨体じゃボクの力ではダメージを与えられない。

かと言って召喚スキルで目の前の竜へ専念すれば空の竜がこちらを狙う。



「なら……まとめて倒してやる!! いよやかな恵みを我は望み、豊かをもたらす慈愛を求めん。来たれ、我望むは霖雨の如き白!」


詠唱と共に雲はかたまり、灰色の雨雲が空の上を蠢く。

それは湿気を多く含みながらゴロゴロと雷を走らせ、ポツリポツリと大粒の雨を地に落す。


「……雨乞い、の魔術?」


「あの侍女は一体何を―――」



コイツらは魔法を始めとしたスキルは通じない。

ならば。


「合わせろ、フェズ!! 召喚型魔術!!」


「御意ッ!! 死浚いの風フレースヴェルグ!!」


炎の巨人はボクの声に応え、召喚型魔術スキルを発動する。

すると緑の風が地を這うように吹くと大きな螺旋を描きながら暴風と化す。

そして打ち上げた大地や竜と何もかもを巻き込みながら巨大な竜巻へと変わり、湿気を多く含んだ雲もその牙にかける。


「お、オおおオおォおお!? これは楽しいですね愉快ですねぇ? しかしこれはすぐに飽きてしまいそうな遊びですねぇ!」


雨水に濡れ、風に遊ばれるソイツは笑いながらそんな言葉を吐く。


今のコイツらには確かに魔法が効かない。

かと言って物理も効果が薄い。

しかしさっき、凍結効果を受け付けたとシステムさんが言っていた。

それなら駐屯地で氷を作った時のように凍らせれば良いんだ。

間接的に……!!



凶雹の粒ハガル!! 厳冬の白霜ハガルソーン!! 三絶と染める冬フィンブルヴェト!!」


スキルを発動すると氷塊が空一面を覆い尽くす。

それらは空でクリスタルのように瞬き煌めくと辺りの空気を冷やし、吐く息を白く変える。

そして雨雲を喰らって灰色に染まった竜巻は空に浮かぶ氷を次から次へ飲み込む。


凶雹の粒ハガル!! 凶雹の粒ハガル!! 凶雹の粒ハガル!! 凶雹の粒ハガル!!」


《システム:残りMP68%となりました。》


狂ったようにハガル系を連発し、竜巻は取り込んだ雨水とハガル系によって白色と変わると周囲も無慈悲へ染める。

そして竜巻が晴れると同時にハガル系は霧散し、突然止んだ暴風を前に巻き上げられた物は宙を浮く。


「おやおや? おやや? もうお仕舞ですか終わりですか? 」


「キョ、キョーちゃん何遊んでるのっ!?」


「はい、折角のおたのしみの時間が? もう終わってしまいまして……どうされましたか閼伽アカの―――」


楽しんでいたアトラクションが終わってしまい、残念がる子供を思わせるキョーは少女の言葉で我に返る。

視線を向ける先には水浸しになり、ハガル系の氷結効果によって氷漬けとなった竜の群れ……。

それらは引力に逆らう翼を打つ事も叶わず、次から次へ落下すると地面とぶつかりガラスのように粉々となる。

そして何を狙っていたかやっと理解したキョーは身を動かすが氷点下によって動作がいくらか鈍り……


「キョーちゃん!!」


「おわっとぉ!?」



隙を狙ったフヴェズルングによる剣戟が寸前で大きく弾かれる。

それはバキィン!! と火花を散らしながら音を響かせ、魔法魔術による防御にしては違和感を覚える。

そしてフヴェズルングは構わずまた一撃と振るうとキョーの前を庇う小さな少女は手を伸ばし、応戦する。

そんな中、その混戦を狙いもう一つ別の剣風が空を走る。


「きゃぁあ!! もう何なのなんなのぉーっ!! 折角クーちゃんと逢えたのに誰! 邪魔するの……は―――」




癇癪を起す少女の前へ突如現れたその人影は、夕陽色の長髪を靡かせながら剣を振るう。

周囲には淡く光る玉は様々な色を放ちながら飛び回り、円を描く。

そして金色の剣を向け、


「私はルカ・フィオーレ・ランゼル。プリズ・ラーフェルの命により、サテンフィン王国騎士団の助太刀に来たわ。……覚悟なさい」


彼女はそう言い放つと剣に暴風を纏い、白い影2つへ一閃を放った。

予定よりルカの登場を前倒しにしました(





死浚いの風フレースヴェルグ


 北欧神話に於ける鷲の姿をした巨人を意味する。

 または死体を飲み込む者を意味し、世界のあらゆる風は

 フレースヴェルグが起こしたものとも言われている。

 

 属性  :風

 タイプ :召喚型魔術

 詠唱時間:基本詠唱60秒 スキルLv1毎に詠唱時間12%カット 

      スキルLv5の場合無詠唱

  消費MP:350 スキルLv1毎に消費MP45増加 

 効果範囲:指定セルを中心とした12*12セル範囲攻撃

 攻撃倍率:MAXレベル5 魔法攻撃力800% スキルレベル1毎に+50%

 攻撃方法:風属性による連続魔法攻撃 スキルレベル毎に攻撃回数3追加 

      最大40回攻撃

 効果時間:持続時間5秒 

 攻撃対象:モンスター

      クールタイム60秒

      習得可能職業・トリックスター 




三絶と染める冬フィンブルヴェト

 北欧神話に於ける世界の終わりが差し迫った、

 その前兆となる出来事を意味する。

 夏が少しも間に挟まれず、三度の冬(風の冬、剣の冬、狼の冬)が続き、

 しかもあらゆる方向から雪が吹き付ける。

 この間に数えきれない戦乱があり、兄弟同士が殺し合うとされる。

 

 属性  :氷

 詠唱時間:基本詠唱55秒 スキルLv1毎に詠唱時間10%カット 

      スキルLv10の場合無詠唱

  消費MP:300 ジョブLv1毎に消費MP35増加 

 効果範囲:対象を中心とした5*5セル 凍結効果を80%の確率で付与

 攻撃倍率:MAXレベル10 魔法攻撃力1000% スキルレベル1毎に+250%

      基本攻撃回数10回 ジョブLv1毎に攻撃回数+1

 攻撃対象:モンスター

      クールタイム60秒

      習得可能職業・エレメンタラー 


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