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物書きな僕と編集さん  作者: 冬乃 之
3/10

後悔。

「あぁ、なんだこの状況…」

それなりに大きさのある冬木出版社の会議室。

現在この会議室には目の前にいる女性、担当編集さんである橘栞のすすり泣く音だけがこだましていた。

栞が泣き始めてからかれこれ20分といった所、やっとすすり泣き程度に落ち着いてきた。

「は、はい、これ。」

どうしたらいいか分からずパニックになりそうにもなったけど、まずは泣き止むまで待ってみようと思ってポケットに入れていたハンカチを差し出した。

「ん…。」

栞は下を向きながら泣いているけど視線の先にハンカチを持っていくと、大人しく受け取り涙を拭いた。

それより僕は、ど、どうしたらいいのやら…。

外でも見ようかな、幸いここの会議室はそれなりに高い場所に位置している。

よし、そうしよう。

「達也…。」

僕が席を立とうとした時に栞から呼び止められた。

景色見てみたかったな…、とか考えながら咳払いをして何事もなかったかのように腰をおろす。

「落ち着いた?」

「うん、ごめんいきなり泣いたりして」

目頭を朱色に染めた顔を僕に向けた。

そういえば、栞が泣く所を初めて見たかもしれない。

栞が泣くとこんな顔するんだな。

ちょっと可愛い、僕はSじゃないけど。

「ずっと後悔してた、達也に謝りたかったの」

「え?謝りたかったって…」

「その…昔、私の一方的な勘違いで別れてしまったことを」

橘栞は僕の元彼女だ、なぜ"元"なのか。

僕がふられたからだ。

ふられた理由は栞の早とちりによる勘違いだ。

「あ、いやあの時は僕もはっきり言わなかったのも悪かったし」

「でも…」

「お互い様だったって事でどう…かな」

数分の沈黙が続き、僕も栞もハッキリと目線を合わせ同時に言葉が出た。

「「あの時はごめんなさい!!」」

全く同じタイミングで僕達は謝った。

それまでの張り詰めた緊張が切れ、笑いが込み上げてきた。

久しぶりに栞の笑顔を見た、その笑顔はとても明るく温かい笑顔だった。


「編集さん、これから宜しくお願いします。」

「はい、宜しくお願いします。物書きさん。」


ご覧いただきありがとうございます。

最近リアルが忙しくてなかなか執筆できませんでした(;´∀`)


今回も短いですが、区切りがいいので投稿させていただきます。

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