罪悪感
蝉がやたらしつこく鳴いている。
と、感じることしか今はできなかった。
中学3年という大事な時期で山村祐樹は挫折していた。
2週間前に両親と弟を同時に亡くし、自分だけが生き延びてしまった事に罪悪感を抱いていた。
あの日、コンビニに止まったのは喉が渇いた、の一言だった。
金だけ渡されて
「全員分適当に買ってこい」
それが父が言った最後の言葉になった。
店内に入ってすぐ、コンビニの正面から軽自動車とトラックがガラスを割って突っ込んできた。
奇跡的に突っ込んでいったのは飲み物を売っている所で、まだ入口にいた祐樹は難を逃れた。
よく見ると軽自動車は両親と弟が乗っているものだと知り、慌ててガレキをどかして車内を確認した。
窓ガラスは割れ、白いエアバックは赤い色に変わっていた。
救急車に3人は乗せられ、俺も乗った。
父さんは既に脈がなく、母さんと弟も非常に危険な状態だった。
病院に着く手前で弟は息を引き取った。
残る母さんも祐樹の願いは通じずにこの世を去った。
もし喉が渇いた、と言わなかったらこんな目には合わなかった。
祐樹は外にでるのが怖くなっていたのだ。
今日も部屋の扉をノックした音が聞こえた。
家族を殺したのは俺だ。
妹に合わせる顔がない。
「そういえばもう夏休みか・・・・・」
学校の計画表をボーっと見ていると、インターホンが耳にはいった。
妹がいるから全く関心を示さずにいた。
たとえ妹がいなくても出ることはないだろう。
しばらくして部屋をノックする音が聞こえた。
「お兄ちゃん今ね、お兄ちゃんの友達から伝言頼まれたから言うね」
―友達・・・?一体だれだ。
「ファイナルクリスタルっていうネットゲームに来い、そこに学校友達もいる。だったかな」
―学校に行かない俺を心配してネトゲを勧めてくれたわけか・・・。
「お兄ちゃん、外に出ないんだからネットで会うくらいはしてあげたほうが良いと思うよ」
そう言うと妹は部屋を離れ、隣の自分の部屋に入ったようだった。
祐樹はため息をつく。
―ネトゲか・・・。




