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Summer Believe  作者: 七原 秋也
第4章 現実空間
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部活動

A4紙に印刷された表を見て、祐樹はとうとう立ち上がった。


今日は午前部活の日である。


学校の青ジャージに着替え、タオル、飲料水等が入っているスクールバッグを左手に持って部屋の扉を開けた。


スクールバッグを持って階段を下りていくこの感覚・・・。



下に降りると、まだ夏休み午前7時なのに愛美が学校の青ジャージに着替えて、全ての支度を済ませたように玄関に歩いて行った。

愛美も部活のようであった。


佑樹は後を追うように玄関に向かった。

その途中で愛美を見送る祖母が現れ、佑樹に気がついた。


「祐樹!まさか学校いくの?」


その声に愛美も振り返って祐樹を凝視した。


祐樹は頭をボリボリと掻きながら言った。


「ちょっと様子みる程度でな。心配しないでくれ」


そう言うと祖母と愛美はほぼ同時に笑い出した。


「な、なんだよっ」


すると愛美は玄関の扉を開けた。


「行こっ!お兄ちゃん!」


明るい愛美の笑顔を魅せられた祐樹は玄関で靴を履き、外にでた。

振り返って祖母に少し微笑みながら


「いってきます」


再び前を向くと、後ろから祖母のいってらっしゃい、と温かい声が祐樹の背中を押した。

そして佑樹と愛美は並んで学校に向かった。



学校に着くなり早速部活仲間と遭遇してしまった。

そこで佑樹と愛美は別れ、愛美は部活の更衣室に向かっていった。


「祐樹!まさかお前が来るとは思わなかったよ!!」


祐樹の親友であった木村克樹が祐樹の肩をバンバンと叩いた。

久々の現実の友との再開に祐樹は思わず笑みが溢れた。


「すっかり元気よくなったんだな。FCも来てくれたし今日学校にもきたし、今日は部活どうするんだ?」


「今日いきなり来て悪いがやらせてもらえないかな」


克樹はさらに笑顔になった。


「当たり前だろ~!やらないって言っても強制的にギャラリーから引きずり下ろしてたよ」


「おいおい何すんだよ」


2人校門の前で笑い合っていると、そこへ谷澤文也(たにざわふみや)が現れ、克樹と祐樹をポカンとしたように見ていた。数秒の沈黙が続いて文也は我に戻った。


「おおお!祐樹じゃねぇか!おひさー!!」


「文也!本当学校休んで悪かったと思ってる」


「何言ってんだよっ!今日部活やってくのか?」


「できればやらせて欲しい」


「おう!伝説の祐樹復活だ!」


佑樹が所属する部活は3年12人、2年9人、1年13人と監督の計35人で構成される男子バレーボール部である。

声を出していくことをモットーに、日々練習に励んでいた。


現在レギュラー陣は、レフトのキャプテン笠岡侑斗(かさはらゆうと)、センターの部長三原正志(みはらまさし)、ライトの副部長児玉和樹(こだまかずき)、そしてレフトに山村祐樹、センターに谷澤文也、ライトに本田章(ほんだあきら)の基本6人で構成され、

他は補欠やリベロ等に回されている。


ちなみに克樹は章と実力が5分5分だったのだが、最終的には章がレギュラーになり、その補欠として克樹がいるのである。

克樹は相当悔しそうだったが、挫折せずに努力してきたのだ。


FCの部隊、『宿命の仲間』は全てこの学校のメンバーを集めたものであるが、

バレー部で『宿命の仲間』に加入しているのは隊長の克樹、そして文也、和樹、章、祐樹の計5人である。


そして祐樹はかつて、他校からも恐れられていた時期があった。


3年に進学してから間もない頃に練習試合でキャプテン侑斗を超える強烈スパイクを打ち込んだのがキッカケで、それから試合ではオープンスパイク、Aクイック等のスパイクを見事に1発で決めていった。侑斗も負けじと練習に励んでいるが、スパイクでは祐樹の方が上であった。


とにかく佑樹にスパイクを打たせたらまず取れない、と伝説となっていた。





「もう皆中にいると思うから行くか!」


克樹が元気よく言うと佑樹も文也に背中を押され、3人で体育館に向かった。

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