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Summer Believe  作者: 七原 秋也
第1章 新たなスタート
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家族の亀裂

蝉がここぞとばかりに一斉に鳴き始めた。

気温がグッと上がり、どの家にもエアコンが扇風機が稼働しているだろう。


そんな今日は雲1つない晴天で、風が凄く気持ちよかった。


昼ごはんも食べ終わり、窓を開け、わずかな風を浴びながら1つ深呼吸した山村愛美(やまむらまなみ)は兄の部屋に向かった。


部屋の扉をノックし、扉を開けずに声をかけた。


「お兄ちゃん、もう夏休みになったよ。気持は分かるけど前向きに過ごそうよ」


返事は返って来なかった。


この家には『お母さん』と呼べる人が今はいない。さらに『お父さん』も。

しかも3人兄弟だった私達も今は2人兄弟。


お兄ちゃんがこんな風に変わったのは2週間前だった。



私は友達と遊びに出掛けてたから、お母さんとお父さんとお兄ちゃんと弟の(みつる)の4人で軽くドライブをしていたらしい。


4人が乗ってる車はコンビニ止まっていた。

詳しくは知らないけど車の中にお兄ちゃんだけがいなくて丁度その時に酒酔いしたトラックが突っ込んできて運悪く車と衝突した。


後部座席にいた充は即死だったと言われ、お父さんは救急車の中で死亡して、お母さんは手術中に生死を彷徨った上で死亡したと聞かされた。


私も3日くらいはとても笑顔を作れなかった。でもおばあちゃんやおじいちゃん、友達が皆優しくしてくれたおかげで前向きになれた。もう3人は返ってこないことを認めた。


お兄ちゃんもこのままでは人生が崩壊してしまう。何とかしたいのだが、どう接していいのか分からない。


毎日声をかけているが、今のところ反応はない。ご飯は辛うじてパンの少し食べている。おばあちゃんが毎食部屋の前に置いているのだ。


諦めて部屋を立ち去ろうとした時、インターホンが鳴った。おばあちゃんとおじいちゃんは畑仕事をしているから家には私とお兄ちゃんの2人しかいない。


「はーい」


2階から降りて玄関に急いだ。


玄関の扉を開けると1人の男の子が立っていた。これから部活なのだろうか、運動服だった。おそらくお兄ちゃんの友達である。


「祐樹の妹さんだよね?」


「はい、そうですよ」


「じゃあさ、祐樹に伝えてほしい事があるんだ。インターネットは使える?」


「はい、お兄ちゃんの部屋に1台のPCもあります」


「よし、じゃあ『ファイナルクリスタル(FC)』っていうネトゲに入れ、と伝えてほしい」


お兄ちゃんはPCはよくいじるがネットゲームをやるかどうかは不明だ。


「一応伝えておきます」


「ありがとう。学校のやるもそこにいるって付け加えて欲しい」


「分かりました。わざわざありがとうございます」


「いやいや。じゃあよろしく」


愛美は頷くと少年は走り去った。


「ファイナル・・・クリスタル・・・」

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