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キノコ採りじいじ

作者: 宮上 想史
掲載日:2026/03/24

キノコ()りじいじ




 ある(とう)(ほく)(やま)にキノコ()りじいじと()ばれる(もの)がおったそうな。

 その名の(とお)り山を(のぼ)りて、キノコを()って()らしていたそうな。 

 これはそんなキノコ()りじいじの()(ばなし)である。

「よし、たか(くん)今日(きよう)(やま)()ってキノコを()りに行くかあ」

「うん!」

 キノコ()りじいじは(まご)のたか(くん)()れて、(やま)()くことにした。

 (しば)(いぬ)(なな)(いつ)(しよ)だ。

 わん、わん、わん。

 ()(やま)をのぼりては、キノコを()(つづ)ける。

「この(あか)いキノコは()べられないから、(ちゆう)()するんだぞ」

「わかったじいじ」

 (まご)のたか(くん)にキノコについて(おし)えながら(たの)しく(やま)(のぼ)っていった。

 ワン!ワン!ワン!

 (しば)(いぬ)(なな)(まえ)へでて、()えたてる。

 キノコ()りじいじはなんだろうと(おも)うと、ピョンピョコピョーン!とウサギが()てきた。

「ここから(さき)はいかせん!」

 かわいいウサギは()(わい)()った。

「そんなあ」

 たか(くん)(こま)()てる。

 キノコ()りじいじはバッとウサギの(みみ)(つか)むや、

()っちまうぞ!」

 とおどしてウサギをはなしてやった。

「いやーん」

 ウサギはどこかへ()えた。

「じいじすごい!」

 しばらくするとまた、(なな)()えたてる。

 鹿(しか)だ。

「ここは(とお)さんぞ」

「じいじ、(こん)()はどおするの?」

 と、たか(くん)()うと、(なな)がワンワンと()えながら、鹿(しか)()みついたではないか。

「っいで!いででででで」

 鹿(しか)はたまらず()()ねながら逃げ去っ(にげ)た。

 えらいえらいと()って、キノコ()りじいじは(なな)(あたま)()でてやった。

 ワン!

のっそのっそと(あし)(おと)がする。

 イノシシが(あゆ)()ってきた。

(にん)(げん)よ、ここより(さき)()かせぬぞ」

 (もり)(ぬし)なのだろうか(ひげ)(たくわ)えたりっぱなイノシシだった。

「うーむ、こまったのう」

「このキノコをやるから()わりに(とお)してくれないかのう」

 キノコ()りじいじは(やま)(ある)きながら()ったキノコをイノシシの(ちか)くに()げた。

「キノコなあ」

「うまい!うまい!」

 イノシシが()(ちゆう)になっている(あいだ)(よこ)(とお)()けた。

「なんとかなったね」

 とたか(くん)()った。

 (やま)(おく)(ふか)くに(とう)(たつ)すると、なんと(おお)きな(まつ)(たけ)とその(まわ)りに(たく)(さん)(まつ)(たけ)()えていた。

「すごいよ、じいじ」

 キノコ()りじいじとたか(くん)(なな)(まつ)(たけ)()れるだけ()っていって、それを()ってしばらく(あそ)んで()らしましたとさ。

 

  







たか(くん)とキノコ()りじいじと(なな)(かわ)(さかな)()りに()ていたそうな。

「こうやってミミズをつけんだよ」

 キノコ()りじいじは(こし)につけた(かご)からうねうねと(うご)くミミズを()りだして()(ばり)につけた。

 たか(くん)はミミズをつけてもらって(かわ)()かって竿(さお)()るう。

 キノコ()りじいじも()りを(はじ)めた。

 ワン、ワン。

 (いぬ)(なな)草原(くさはら)()そべってひなたぼっこだ。

 ()(ふん)もたたないうちにキノコ()りじいじの竿(さお)(さかな)がかかる。

 きのこ()りじいじは(さかな)(つり)りの(めい)(じん)でもあった。

 またかかる。

 またかかる。

 (つぎ)々(つぎ)と()れていった。

「じいじ(すご)いなあ」

「はっはっは」

 たか(くん)もやっと()()げて、(さかな)(はり)からとれないのでキノコ()りじいじにとってもらう。

 また、()(いと)()らしていた、たか(くん)(いと)(さき)が動か(うご)なくなっているのに()づく。

「あれ?ひっかかてるの?」

 ()()ってもびくともいわない。

「んんんん!!」

 (ちから)(かぎ)()()ると、(さかな)がかかっていた。 なんで動か(うご)なかったのかなあといぶかしんだが、まあいいやと(おも)い、()れた(さかな)をずるずると草原(くさはら)()きずりながらキノコ()りじいじのもとへ()って(さかな)(はず)してもらおうとした。

 その(とき)(かわ)がバシャバシャ!と(おと)をたてた。 キノコ()りじいじの()らした(いと)(さき)(おお)きな(みず)しぶきがあがる。

「うおお?!」

 たか君はじっと見入った、(すご)(おお)きさの(さかな)のようだ。

 キノコ()りじいじはなんとか、(おお)きな(さかな)を、(かわ)(ぎし)(ほう)()せることに(せい)(こう)した。

 (さかな)(きし)()がった。バタバタと(はげ)しく(うご)く。

 たか(くん)(おどろ)いた。

 (かわ)()るような(さかな)ではない。

 ()(まる)()かと(おも)われるような(おお)きさの(さかな)であった。

「なにあれ!?」

 キノコ()りじいじは、(かぜ)(ごと)(はや)さで(たか)()(しよ)から(きし)()りていき、(さかな)のもとへ()かう。  

「じいじはやい!」

 たか(くん)(いま)までに()たことの()(はや)さでキノコ()りじいじは(どう)いていた。

(つか)まってたまるかあ!」

 キノコ()りじいじの()(りよく)むなしく、(さかな)(いと)()り、(みず)(なか)へと(かえ)って()った。

「いやあ惜し(お)かったなあ」

(おお)きなさかなだったね」

 (とつ)(ぜん)(かわ)(みず)()()がった。

 なんと()()げるような(さかな)ではないか。

「どひゃああ」

 と()ってキノコ()りじいじとたか(くん)(しり)(もち)をついた。

 そして(さかな)はまた(もぐ)っていった。

「ありゃあ(ぬし)だったなあ」

「なにしにきたんだろうね」

「きっと(さかな)()りすぎたから(かえ)れって()っておるんだろう、どれ(かえ)ろうか」

「うん!」

 (ふた)()(いち)(ぴき)(かえ)って(さかな)()()しく(いただ)きましたとさ。







コッ。

 木の台にかたい石がのった。

 二色の石が沢山のって、模様ができている。

「むう」

 キノコ採りじいじは腕を組んで考えこんだ。

 たか君は碁盤をじっと眺めていた。

「じいじ!囲碁教えて!」

 キノコ採りじいじは後でなと言うばかりだった。

 いつもこれだ、囲碁が始まるとまるで会話をしてくれないのである。

 とうとう我慢できなくなったたか君はわー!と声をあげた。

 両の手で黒と白の石たちをメチャメチャにしたのである。

 キノコ採りじいじと碁打ち仲間は何も言わずに固まっている。

 たか君がじいいに怒られたのは言うまでもない。

たか君はある日、じいじの書斎に入ってみることにした。

 本の山がうずたかく積まれて何かわからない置物が沢山あった。

「わあああ」

 壁にかけてある猟銃が目に入ってきた。

たか君の目がキラリと光る。

「かっこいい」

 たか君は、部屋にある椅子を頑張って移動させてそれを手に取った。

「バン!バン!」

 鉄砲を撃つ真似をしている。

 ガラガラガラ。

 部屋の戸が開けられた。

「こら!なにやってんだあ!!」

 こっぴどく叱られた。

 温厚なキノコ採りじいじもさすがに危ないことには怒るのだ。

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