お買い物
「ありがとうございました。またお越しくださいませ。」
服屋を出て次は靴屋に行く。靴は布製でスニーカー、ハイカット、ブーツ、サンダルなど色々ある。店の角には布や足型などあるので片方大き目の靴の人などが利用するのだろう。まずは年間通して履けそうなパンプス風のヒールの低い靴を買おう。無難に黒、かな。冒険したいがお金のない今、贅沢は言っていられない。靴はスムーズに決まって次はいよいよお店の準備だ。もう一度出店を確認しよう。1番多いのが食品系だ。お弁当、お菓子、パンなどの加工品や野菜など素材を売っているお店もある。次に装飾品、カバン、スカーフ、ネックレスなど。あとは板や四角い箱の様なものを販売している店、がある。クノーの実を使うならやはり食品だと思うのだけど、ジャムやお菓子では他のお店と被ってしまうなぁ。
色々見て歩いて喉が渇いてきたしひと休みしたい。見渡してお茶するところを探す。カフェやジューススタンドが無いことに気づいた。お茶する習慣はないのかな。
しばらくするとそれは時間帯の問題だったとわかった。緑の時間も半分くらい過ぎるとお弁当、パン屋が店仕舞いをしその代わりに私の求めていたカフェが出店を始めている。なるほど時間によってもお店が変わるのね。カフェはお茶や紅茶の様な飲み物並んでいる。春先なので温かいのと冷たいの両方ある様だ。
今日は沢山歩いたので冷たいお茶を頼む。スッキリと、まったりどちらになさいますか、と聞かれてスッキリを注文する。まったりってどんな味だ?ガラスのコップに氷で冷やされた薄緑の飲み物が出てきた。緑茶を想像して飲んだらミントの様なレモンの様なスーツとする味で確かにスッキリする味だ。もしかしたら、飲み物は味ではなくて気分で選ぶのか?お店の人に聞いてみよう。
「すみません、スッキリのお茶は何の葉っぱなんですか。」
「市販のスッキリ茶と同じでシトラールがメインで入っているよ。それぞれ家庭の味があるとは思うけどウチはシトラール多めだね。まったりはリラクフラグランがメインだよ。お客さんはウチのブレンドを気に入って来てくれているんだ。」
おお、まさかエネールが教えてくれた2人の葉っぱはお茶に使われていたのか!エネールが教えてくれた木は仲良しさんかと思っていたけど、ここでよく知られた木々を教えてくれたのか。助かった。今度お礼を言おう。
「味がそれぞれ違うと仰ってましたが飲んだ時の気分は関係があるんですか。」
「何言ってんだい、当たり前さ。味はもちろんのこだが、一番は飲んだ後のスッキリ具合や気持ちの落ち着き度合いがそれぞれ店の違いの腕の見せどころってもんよ。今度別の店にも行ってみるといい。」
なるほど飲み物は気持ちを整えるための物なのか。