表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/161

初詣

 久しぶりに電車に載ったら、体感時間が長く感じた。それでも、持って来ていた本を読み始めたら、気付いたら乗換駅に近づいていた。あまり人のいない、後ろの方の車両に載るのが常だったけれど、フォームに入ってきたときに見たら、かなり空いていたので、歩いて前の方まで行って載ったら、ちょうど階段の近くで降りることができた。

 エキナカのコーヒー屋に入ったら、注文所で何人も並んでいたので、振返って時計を見たらあと十分だったから、まだ開いたままだった自動ドアから外に出て、コンヴィニに引き返した。ホットの焙じ茶を手に取ってレジに行ったら、ちょうど人が切れたところですぐに買うことができた。この駅も大きな神社の近くだったけれど、まだ人は少なかった。朝早いからだろう。七時過ぎ。

 次の電車は少し人が多かった。と言っても、満席にはなっていない。近くの乗換駅に二三停車して、そのあとはずっと止まらない。そこで降りて各駅停車に乗り換えて一駅。あのまま載っていたらターミナル駅まで止まらない。ここもまだ人が少ない。参道も屋台の準備をしている人ぐらいしかいない。

 ここは近くに親の亡くなった市民病院がある。初詣に来ているわけだが、墓参りの意味もあるのかも知れない。墓自体は京都にある。神社は天満宮だが、道真自体ではなく、その血縁を祭っているらしい。

 階段を上がって神社の入り口で一礼して歩いていく。さすがに人が歩いている。牛の銅像の頭を撫でて、守矢を返し、干支の看板を写真に撮ろうとしたら、先客がいて家族らしきと一緒に撮っているので、後ろで待った。撮ったと思ったので歩を進めたが、今度は交代して撮っている。それがおわってからようやく写真に収めた。スロウプを上がって賽銭を入れ柏手を打つ。横から降りて、売店で今年の分を買ったら、もう用がないのでさっさと引き返した。

 再び電車に載って、二つ先まで載り、そこで降りた。小学二年から高校卒業まで住んでいた町だ。駅のコンヴィニは開いていたけれど、駅前の松屋もまだ開いていなかった。貼り紙を見たら、いつもなら開いている時間だが正月時間で、あと三十分後くらいに開くと書いてあった。信号が青に変わったので横切ってしまう。そのまま道を進んで、途中で左に曲がった。人はあまりいない。一組だけ擦れ違った。道をよく覚えていなかったけれど、そのまま行ったら商店街に辿り着いて、アーケイドを出たところに寺がある。

 ちょっと歩くと手水がある。だいぶ前に見たら野球選手の子供で俳優になっている人が寄付した柄杓が置いてあったが、いまはもうないようだった。寒いので清めないまま、本殿に向かう。階段を上がって参詣する。ここが除夜の鐘を撞いていた寺だ。おでん屋はとっくに出なくなっている。よく遊んだお堂のあたりは改修中だ。百円の線香を買いたいが百円玉を持っていなかったので、その前に何か買おうかと思って冷やかしたが、守矢とかはもう買ってしまったしなあ。ダメ元で、両替してもらえますか、と訊いたらしてくれた。階段を降りて、太い線香を買った。ここでは百円玉を献金箱に入れる感じになっている。もうなくなりかけている蠟燭に線香の先を宛てるが、なかなか火がつかないのは例年通り。

 反対側の、実はこちらが正門である入り口から外に出る。大きな仁王像が守っている。初詣の飾りとともに写真に撮った。この隣にある会館は、親の葬式をやったところだ。少し歩くと神社がある。ここは伊勢神宮系列だ。参詣してから横から出ると、私が卒業した小学校がある。例年はぐるっと回って見ていくのだけれど、きょうはなんだか寒いので、正門から中を覗くだけにした。私がいたころは給食コーナーだった建物にはシャッターが下りていて、今も使われているかどうかはわからない。シャッターにはアンパンマンたちの絵が書いてあった。中学校や、私が住んでいた跡地の駐車場などにも、前の年までは見て回ったと思うけれど、今年は行かずに、そのまま商店街に戻って駅に向かった。商店街の店もほとんど代わっている。一軒だけ小学校の同級生の家だった農機具屋だけは残っているが、もちろん開いてない。

 ここからターミナル駅まで足を延ばしたこともあったが、今回は行かないで乗換駅に戻った。しかし、目当ての電車が十分以上先だったので、階段を上がってコンヴィニの中をうろうろした。コーヒーの自動機もない小さなコンヴィニなので、直ぐに見るところはなくなってしまっていったん外に出たが、改札の外に出ようとは思わないでまたコンヴィニに舞い戻り、チキンを買った。これをもってフォームの待合室に入り、食べおわったら直ぐに電車が来た。出発時刻まではまだ間があるが、載って待つことにした。

 大きな神社のある所に停まる電車なので、割と混んできた。トートバッグから破魔矢を覗かしている客がいる。その駅で降りて、そのまま乗り換えた。次の乗換駅で途中下車をした。デパートの方に向かう人たちがいたので、尾いていったら入り口から列ができていた。並ぶ気にならなかったので取って返して、駅前の小さな高級スーパーに入った。普段なら、ちょっと歩くスーパーが二軒開いている時間だけれど、きょうは休みだった。

 高級スーパーの中でぐるぐる回って、なるべく安売りシールの貼ってある惣菜をいくつかと、千円台のチリワインを買った。これくらいは、去年だったら毎週していたことだけれど、今や贅沢なものとなってしまったな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ