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電話機

 夢の中で、仲間でどこかに向かっていたのだけれど、道路に車が多すぎて危険なのでやはり電車で行こうということになって駅を探した。線路が見つかったので、辿っていくと駅が見つかった。これは私が学生時代、東京でよくやった手なのだが、適当に歩いていたら踏切の音が聞こえることがあるので、そちらに向かえば電車に載ることができるのだった。知らない駅でも、どうにかして目的の路線に向かうことができるからだった。

 しかし、このとき辿り着いた駅には、路線図もなく、時計の横の看板に駅名も載っておらず白いままだった。改札の中を覗いてみると、箒と塵取りを持って掃除をしている人がいたので声をかけると、私が駅長ですと言う。それで、ここは何と言う駅かとたずねたら、この駅には駅名がないという。地図にも載っていないのだという。駅と駅の間にあって、それらの駅の出入りが多すぎたときに臨時で使用するのだという。

 私はそれが本当かどうか、スマートフォンの地図アプリを開いて確かめようとするが、例によって夢の中ではスマートフォンが巧く動作しない。私たちは結局目的地に向かうことは諦めて、元のところに帰ることにした。地図アプリは見られないけれど、道なら憶えているという人がいたからだ。

 近頃では夢でうまく動作しないのはスマートフォンだが、以前は電話だった。プッシュホンやその前はダイヤル式の電話だった。ダイヤル式の電話を、私はいつまで持っていたのだろうか。幼少期に家にあったものは黒電話だったし、大学に入学したときに買ったのも黒電話だった。いや、買ったのは加入権だけであり、電話機はレンタルだった。ということは、都落ちしたときに黒電話は返したのだろうか。加入権は売らなかったはずだが、親のところに住んでいたときは自分のではなく親の電話を使っていたような記憶がある。

 それから再び三十過ぎになってから一人暮らしを始めたときには、加入権を復活させて電話機も新たにレンタルしたのだろうか。なんとなくだけれど、最初に借りた黒電話はこのときはまだ持っていたような気がする。きっと、引っ越した時に買い取ったのだろう。あれを取っておけば、メルカリで高く売れたのではないか。恐らくその次の引っ越しのときに捨ててしまったのではないか。誰かにやったのかも知れない。

 次の引っ越しの後は、日本電信電話会社ではなく、ネット会社のアイピー電話に替えたので、このときに電話加入権を売ったような気がする。買ったときは、十万円くらいで、月賦で払ったはずだ。売ったときは、数万円だった。しかし、このあとすぐ加入権と言うものが廃止され、一円でも売れなくなるのだから、ギリギリ売り抜けたということにはなるだろう。電話機はジャスコかどこかで安いのを買ったように思う。この電話機は十年弱で壊れてしまい、近くにあったジャスコは潰れて荷物センターになっていた。新しい電話機は量販店で数千円で買ったもので、これを今でも使っている。本当に通話ができるだけで、留守電機能もない。

 いまのところに越して来たとき、ネットもアイピー電話もそのまま使おうと思っていたのだけれど、依頼したら地域が範囲外だということになって、地元のケイブルテレヴィで契約し直した。前にも書いたけれど、この会社のネットはたまに故障してつながらなくなることがあるが、電話自体は二十四時間通じて、夜中や早朝に予約したら、営業時間の朝一にはサーヴィスマンが来てくれるので助かっている。

 この会社の電話は、通知機能が無料でついていて携帯の方に着信が来たのだけれど、それが廃止されてナンバーディスプレイもできない電話機なので、着信が分からなくなってしまった。仕事用の電話として使っていたのだけれど、買い替えるお金もないので、今はスマートフォンに直接電話してもらうようにしている。

 そう言えば、この電話番号はサラリーマン時代に仲良くしていた学生のアルバイトから貰ったものだ。電話機もただで譲ってもらったのではないか。私はそのとき初めて携帯電話なるものを持ったのだった。

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