べろべろ
今日の運勢は、好きなアーティストをビージーエムにせよ、ということなのでコンパクトディスクを掛けながらこれを書いている。好きなバンドがデビュー前に録音したデモ音源を作品化したもの。実際に発売されたデビューアルバムに入っていない曲が入っている。その一つを、私はソノシートで聴いている。大学生のときにファンクラブで買ったものだ。私は当時ファンクラブの会費を払わないままにしてしまっている。最初は払わなくても会誌が送ってくる。ファンミーティングにも一回参加した。それなのにいつまでも会費を払わないまま、やめてしまったように思う。
あのソノシートは今どこに在るんだろうか。持っていたシングルレコードは何かの折に売ってしまったのだろうけれど、そのときに一緒に売ってしまったのか。高く売れるわけでもなさそうだし、取ってあったように思うのだけれど、見当たらない。先日バンドの四十五周年ライヴに、この曲を歌っていたオリジナルメンバーの一人が参加してくれて、この曲を歌ったっけ。ライヴ終りにサイン会があって、私は先行販売の新しいアルバムを買ってメンバーにサインしてもらったのだけれど、最初そのメンバーはアルバムに参加していないと言ってサインしたがらなかったのだけれど、無理を言ってしてもらった。初期のメンバーで、その後ほとんど活動していないので、そういう尖ったところが残っているのだろう。
ソノシートと言えば、幼少のころ学習雑誌の付録によく着いていたのだけれど、あんなペラペラのもの、音が出るはずがないと思ってずっと放置していた。レコード屋で買ってもらうドーナツ盤はもっと堅いしっかりしたものだったから。あるとき試しにプレイヤにかけてみたら、音が出たのでびっくりした。あの頃のレコードも今は残っていない。
当時私が住んでいたのは、最寄りの駅からバスでだいぶ行ったところにある山の中の団地だった。二階建ての同じ形の四角い建物が何十軒も並んでいるのだけれど、小さい庭も付いていて、結構いい家だった。ブルマアクの怪獣のソフビを十体以上持っていて、これを庭に投げて遊んだりもした。そのときに腕が捥げてしまったのが、確かボーグ星人だったと思う。タイガーマスクのマスクは取れるようになっていて、それをミラーマンにかぶせたりしていたっけ。あの頃のものが今もあれば相当高く売れるはずなのだが、中学生くらいのときに親が全部近所の子供に分けてしまった。
月に一回くらい、最寄り駅の近くにある市場まで会社のマイクロバスで連れて行ってもらった。そのときに、ドーナツ盤を一枚買ってもらうのだった。縦に数列陳列してあるのを、一枚一枚見分して、どれを買ってもらうか決めるのが愉しかった。普段の食料品の買い物は、移動販売の車が来てそこで買うのだった。団地の目の前は山だったのだが、そのうち整備されて更地となり、私たちが引っ越すころに家が建ち始めた。まだ家の建てられていない、ただ整地されただけのところに、人が住んでいてなにか小さい焚火をして煮炊きをしていた記憶がある。いまでいうホームレスだと思うが、当時私たちは乞食と呼んでいた。
その山を抜けて三十分くらい歩くと遊園地があるのを私が見つけ、それから何回か家族で行った。道の途中に駄菓子屋があって、そこで何か買ってもらった。その中に、ベロベロという名前の、ういろうのもっと柔らかくなったようなものがあったのだけれど、大人になってから調べても同じものが出て来ないので、正式な名前はもっと違うものだったのだろう。




