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高くて買えない

 私が子供のころ、肉と言えば鯨だった。学校の給食にも出ていた。市場の中には鯨だけを売っている店もあった。当時はスーパーではなく市場で買い物をしていた。鶏肉の腿肉を焼いている機械がぐるぐる回っている店が入ったところにあったように思う。鰹節だけを売っている店があった。中学の制服を買ったのは、同じ市場の奥の方にある店だった。

 初めて牛肉のステーキを食べたのは、小学校の終りごろだったと思う。自分で焼くのが好きだった。普段ほとんどお手伝いなんてしなかったのに。

 鯨の肉はだんだん食卓から消えていき、一時は店頭からも消え去った。そんな中でも鯨肉料理を専門に出している店があった。渋谷の繁華街の中にあって、私も何回か行ったことがある。たぶん今もあるだろう。

 やがて店頭に復活したけれど、高級食材になってしまって、なかなか手が届かない。専門の店がなくなって、魚売り場で売っている。知っての通り鯨は哺乳類だけれど、流通が魚と同じなのだろう。船で獲ってくるからだ。

 高くて買えない食べ物と言えば、前にも書いたけれど、鰻だ。鰻はまあ、昔から高級なものだった。江戸時代はそうでもなかったようだけれど、私が子供のころはたまに食べるいいものという扱いだった。ひつまぶしは大人になってから食べたけれど、美味しかった。鰻重も結構食べに行った。しかし本当に好きなのは白焼で、山葵をつけて食べる。スーパーでたまに買っていたけれど、最近はさらに高くなっているし、おまけに私はさらに貧乏になっているので全く買えないのだ。

 去年くらいまでは、鰻の肝焼きはデパ地下で時々買っていたが、今はもう買えない。

 鱧も高い。ちょこっと入っているだけで、他の刺身の二倍以上する。先日半額くらいになっていたので、ちょっと高いかと思ったが買ってしまった。鱧の湯引きには辛子味噌と梅肉がついてくる。両方使うには鱧が少なすぎるので、辛子味噌だけ使った。それでもちょっと多いよなと思った。梅肉は取っておいて、湯豆腐につけて食べた。

 他のものも本当に高くなっている。やはり飢死にという路線か。

他にも書こうと思ったものがあったはずだけれど忘れてしまった。

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