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フルタイムのお仕事

 今年の夏はとうとう炬燵をしまわなかった。もちろん火は入れなかったけれど、炬燵布団もそのままだし、コンセントも抜かなかった。怠惰だな。炬燵ってコンセント差してるだけで電気を食うんだっけ。テレヴィとかは、待機電力を食ってる証拠に、ちょっとブーンというハミング音が聞こえる。炬燵は音鳴ってないし。

 近所の臨時のアルバイトは、お祈りメールが来た。書類審査で落ちているわけだけれど、どういう基準で落としてるんだろうね。まさか年齢じゃないよね。いやまあ年齢なのかもね。もう五十代も終りかけてるし。

 通信添削の仕事に応募したら、テストが送られてきて実際に赤ペンで添削して送れということで、やってみたんだけど、駄目だこりゃ。内容はともかくとして、字が巧くない。子供のころは字が汚いことをよく親に嘆かれてて、これでもだいぶマシになった方だと思っていたけれど、赤ペン先生のような字は書けなかった。一応切手を貼って郵便で出すけれど、恐らく不合格だろう。

 前とは別の紹介派遣会社から、紹介メールが来ていた。前の紹介派遣会社は不合格の場合は一通もメールをよこさなかったが、ここはきちんと返信メールは来るのだった。応募多数なのでというお詫びメールだった。夜にメールが来ていて、早朝に応募のメールを送ったら、九時過ぎにメールが来て電話をくださいとのこと。電話をかけたら、必要書類をそろえてメールで送れとのこと。履歴書と職務経歴書と志望理由書八百字。用意して送った。

 但しこれは、常勤の仕事で来年四月からなんだよね。月から金の九時から六時。電車で二時間くらいのところだ。ここで働くことになると、自営業の方は辞めるか、土日だけにするかしかないけれど、それについてはもう仕方がないと思った。

 問題は二時間という通勤距離だ。

 平日は職場の近くに泊まって、週末だけ帰ってくるか。ウィークリーマンションというものがあるなと思って、調べたら高い高い。早々に諦めて、次は普通に賃貸を探した。まあまあ安いところはある。大体ワンルームだ。一か月の交通費と大して変わらないからこれはこれでまあまあ有りだと思った。

 完全に引っ越してしまうという手はないのかと思うが、そのネックになるのは引っ越し荷物の多さだ。ここに引っ越して来たときは、だいぶ物を処分したにもかかわらず、引っ越し屋のトラックに乗りきらないで、知り合いに頼んでトラックを出してもらった。家財道具だけなら何とか持っていけそうだ。しかし、実のところ本が多いのだ。ちょっと前に、これ全部売ってしまうかと思ったときがあったが、本の背を見ていたら、やっぱりなかなか捨てられない。いくつかをメルカリに出品するくらいにとどまった。メルカリは、あれからなにも売れていない。

 ということで、二重生活をするとすれば何を揃えなければいけないかを考えた。まず必要なのは、布団。これは通販で買ったらいいだろうか。今の布団は通販で一万円くらいで買ったやつだ。もう二十年くらい前になるか。テレヴィは要らないか。録画しておいて、週末にまとめて見るか。炬燵も四月からなら当面は要らない。冬になったら買えばいい。エアコンは、今年の夏は殆ど無しで過ごしたんだから要らないだろう。衣類は持っていく。下着類は百均とかで買おうか。洗濯機は買おう。いや、コリンランドリでいいか。衣類はクリーニング屋に出せばいちいち持って帰ったりしなくてもよさそうだ。冷蔵庫は要らない。食べ物はコンヴィニですべて済まそう。給料が良ければ外食でもいいんだが。むしろ今は使っていない電子レンジがあったらいいな。

 タオルは持っていこう。せっけん、シャンプー、コンディショナーなどは新しく買わなければいけないな。風呂は銭湯でもいいか。マップで調べたら職場の近くにいくつかあった。パソコンはどうしようか。持って行ったり持って帰ったりするか。いやもういっそのこと、向こうではスマートフォンで済まそう。よく考えたら、パソコンがなくて困るのは、この文章を書くときくらいだ。後のことは大体できる。字が細かくて老眼で見えにくいということはあるけれど。

 掃除機は要るのか。箒でいいか。コーヒーメイカーは買うべきか。カフェに行けばお金かかるし、買った方がよさそうだな。ミルは諦めて、粉で買おう。もうインスタントでもいいか。そうなると、湯沸しがいるね。ガス焜炉と電気ポットなら、ポットの方が安いか。あと何が要るだろうか。お金はそのときあるだろうか。

 リストを作ったり考えたりしているうちに面倒になってきた。これなら通勤した方がいいんではないか。そうしよう。片道二時間くらいなら何とかなる。六時半に出れば九時までには着くし。帰りも九時ごろには帰って来れそうだ。なんだ。今と大して違わない。電車は好きだし、読書の時間だと思えばいい。寝てたっていいんだが、私は電車で寝るのは何となく苦手である。あとは通勤ラッシュが怖いけど、何とかなるだろう。

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