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豚玉を作る

 玉子売り場を見たら、いつも買ってたやつが復活していた。

 前に来たときにはなくって、別のものを買ったのだった。玉子が品薄というニュースが流れていたのは、いつごろだったっけ。ちょっと危機感を持ってスーパーに行ったものだったけれど、この田舎では大きな影響はないようだった。

 いつも買ってたのは、見た目や味もそうだけれど、パックの紙ラベルが剥がしやすいからそれにしていたのだった。プラスティックと紙が分別収集だったので、剥がしにくいのは嫌だったのだ。けれど、プラスティックゴミが燃やすゴミと一緒になってしまったので、いまとなっては意味のないこだわりだね。

 精肉コーナーを見ていくと、ちょうどいい量の豚肉パックに割引シールが貼ってあるのを見つけた。早速手に取って籠に入れた。国産豚肉細切れが、ちょっと前まで百グラム九十八円だったのが、百八円に値上がりしてからは、買わなくなった。その差は十円なので、二百グラムとして二十円、仮に毎日買ったとしても一か月六百円の差だから、そんな大した違いではないのに、買わなくなったのは、スーパーに対する抗議の意味合いもあったのだよ。

 数年前に、竹輪が値上がりしてから買わなくなったのとは違う。あれはかなりの値上げだったから本当に嫌だった。

 練り物コーナーでも、値引きシールのはってあるものしか買わない。

 豆腐は、北海道大豆百パーセント使用のものを。近頃気づいたんだけれど、国産使用と書いてあっても、ハンバーグとかだと、数パーセントで残りはアメリカ産だったりするので、百パーセントでなくてはいけない。

 厚揚げは、スーパーでは国産大豆のものは姿を消した。仕方ないからデパ地下に行ったときに買いだめする。

 キャベツの千切り大袋にシールが貼ってあった。

 これでメニューが決まった。

 豚玉だ。

 豚玉というのは、お好み焼きの豚を具にしたものを指すんだが、こいつは小麦粉を使わない。お好み焼きと言えば粉もんの代表格なわけだが、粉を使わなくても似たような味になるのだった。

 ちなみに、うちにフライパンはない。すべて中華鍋で代用している。

 ごま油をうっすら引いて、キャベツの千切りをひと掴み入れてから、先に豚肉を入れるのを忘れていたのに気づいた。まあ、いいや。豚肉をパックから適当に手で取って、キャベツの上に並べた。とっさに菜箸を持って、軽くかき混ぜていた。これはいつものレシピとは違う。それから丸く形を整えてから、真ん中あたりに少し凹みを作る。そこへ、二個分の解き卵を入れるのだ。あとは放置。弱火で加熱しておく。

 五分くらい経ってから、フライ返しでひっくり返すと、まだやわらかかったので大きく崩れてしまった。慌てて端を横から押して丸くする。

 お好み焼き用のへらも前は持っていたはずなんだけれど。引っ越しのときに捨てたのかな。

 また、しばらく放置してから、もう一度ひっくり返すと出来上がり。今度はもう固まっているので失敗しないよ。

 鰹節と石蓴をかけ、マヨネーズを散らして食す。

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