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学校

 小学生のとき、夏休みにはプールの時間と言うのがあって何回か登校しなければならなかった。親は水玉模様のついた透明のビニールバッグにに水着とバスタオルを入れて用意してくれていた。しかし、私は行きたくなかったので、バッグがテレヴィの後ろに落ちて見つからなかったことにして行かなかった。海は小さいころから行っていたが、浮き輪をしていたし、泳ぎは出来なかった。高校くらいでは逆に水泳の時間が好きになったりするのだが、水泳自体はいつまでも得意にならなかった。大人になってからも、ときどき市民プールに泳ぎに行ったけれど、ここ十年以上は全く泳いでいない。

 そもそも私は学校で何かを得たという記憶はない。授業で習ったことは役に立っているけれど、別に学校に行かなければ学べないものではない。たぶん自分で教科書を読んでいれば中学までの勉強はできるようになっただろう。授業中は殆ど先生の話は聞かないで教科書を読んでいた気がするし。英語の授業は、感嘆文の導入で、ハッとかワッとか言っていたのだけ覚えている。中三の半ばまでは、宿題になっていた英語のワークをやらなかった。定期テストの点数は六十点くらいで、成績は十段階で六か七だった。教科書を読むだけでそれくらいは出来た。中三の夏休みに、中一から積んでいたワークを全部やったら、二学期から九十点くらい取れるようになった。

 理科の先生は好きだったので、授業は聞いていたけれど、別に聞かなくてもその先生が作ったプリントをやれば出来たはずだ。国語だけ百点を取ったことがある。テスト勉強をしたことはない。漢字だけ前の日にさらっとテストするくらい。テスト期間は早く帰れるので嬉しかった。帰って何をしているのかと言うと、本を読んでいた。中三の受験前も本を読んでいた。当時は日記をつけていて、書いてあるのはだいたい何を読んだかだった。

 実技科目は苦手だったが、音楽のペーパーテストは出来た。楽譜は算数だったからだ。楽器は全くできなかった。学校ではリコーダを吹くのだけれど、音を出さずに吹いているふりだけしていた。まあバレていただろうけど。ハーモニカも吹けなかった。今はピアニカをやるらしいが、それなら少しは出来たかもしれない。ピアノで蛙の歌くらいは弾けたから。いきなり楽器を吹かせるのではなく、もっと暗譜とかやらせればよかったのに。それなら少しはがんばったかもしれない。

 高校受験はがんばったけれど、入学してからはやる気をなくしたということは前にも書いたっけ。もっと勉強しておけばよかったとは思う。授業を聞いておけばとは全く思わないけれど。だって授業で習ったことだけでは数学の問題集は解けなかったので。その問題集も、解答しか載っていなくて解説がないのだから自習のしようがなかったのは事実だ。やる気があれば、書店で参考書を買ってやればよかったのだろうが、そのやる気がなかったものだから。

 高校のときは、読書以外には友だちと遊ぶことはしていた。みんなでプールに行ったり。

痩せていて今のように脂肪がついていなかったから腹筋も自慢だった。大学に行くともっと痩せた。食事も採らずに煙草を吸っていたからだ。大学の授業もあまり出なかった。出れば良いことはあったように思う。流石に大学の授業はレヴェルが高かったので面白かったはずだ。でも、私は酒を呑んだりすることの方を優先した。本は中高ほどではないけれどまあまあ読んだし、映画もよく見に行った。名画座の安いやつに行ったということは前にも書いたっけ。池袋の文芸坐か、三鷹の今は亡き座席の後ろ下がりのところ。そうそう、ライヴにも行った。渋谷のエッグマン。このことは前にも書いた。女子大の学園祭での純ちゃんのコンサート。筒井さんのファンクラブに入っていて一年間だけ東京支部長をやった。渋谷のジァンジァンやパルコで演劇を見た。自分たちでも一度公演を打った。

 私の通った小学校は現存するが、中学は建て替えられた。高校は制服が変わった。大学はよくテレヴィのロケで使われるし、あまり変わっていないようだ。五六年前にあるミステリ作家の講演を聴きに行ったっけ。

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