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京都

 私が京都に行くほとんど唯一の目的は、古本市である。年に数回おこなわれる、その行事に私はいつも行っている。夏は糺の森で開催され団扇が貰える。その団扇が何枚溜まっているのだろうか。コレクションのようにして書棚に差してある。これ一枚ならともかく、セットにすれば結構高く売れるかもしれないが、売る気はない。一年分だけ欠番があるのは、コロナ禍で中止になった年があったからだ。秋は百万遍である。

 百万遍であるときは、雨だったことが何回もある。菜種梅雨の季節だからだろうか。雨が降るとシートをかけて本を保護しなければならないから回る方も大変で、ほとんど居られないですぐ帰ってくることになる。ちょうど年末調整で揉めているころで、コンヴィニで長電話をしたことがあったっけ。ことしは秋晴れだったのでよかった。

 秋の古本祭りでは、来年のカレンダーが貰える。何か買うと一つ貰えるという決まりだった。昔の映画のノヴェライズを買って、一つ貰った。二百円。年頃の関係だろう、ちょうど私が若かったころ買いそびれたようなものを購入することになる。つまり、私と同年配の者がいつかどこかで売り払ったものを買っているわけだ。私がいつかどこかで売ったようなものも並んでいるから、それを誰かが買うんだろう。忍者武芸帳全巻セットが売ってあった。私はそれを地元の図書館で読んだっけ。小学生のころだ。大判のマンガだったので、借りて帰るのではなくその場で読んでいたように思う。借りて帰るのはコロボックルシリーズとかの子供向けの小説だった。価格を見ると、一万円だったので思わず、安いっと声を出してしまったが、買わなかった。重くて持って帰ることが困難だったからだ。依頼すれば宅配便で送ってくれるのだけれど、そのために数千円かかる。値段がその分上がるだけだから、買えばよいものを。

 ぐるっと一回りして、今回はあまりミステリが出ていないなと思い、釣果は一冊だけで帰途に就いた。まだ始まって三十分しか経っていなかった。以前に京都に来たときは、東寺の近くの料理屋で鴨鍋を食べたけれど、この時間ではまだ開いていないし、待つのも億劫だった。正午から開いている居酒屋もあったけれど、それもまだ時間がある。結局、コンヴィニで缶酎ハイを一本だけ買って、それを飲みながら帰ってしまった。

 乗換駅で途中下車して、デパ地下で買い物をした。お揚げ、豆のピクルス、ライウィスキーなどを買った。このところ少し余裕が出来たので贅沢なのだった。こういうところが金が溜まらない理由だろうね。そう言えば年金の通知が、一か月後くらいに届くと言っていたけれど、まだ一か月たっていないからなのか届いていない。数年前によく行ったとんかつ屋のショップにも寄って、牡蠣フライと一口ヒレカツとメンチカツを買った。ふと目に入った小さめの海老フライも追加したけれど、家に帰って食べたらあまり美味しくなかった。タルタルソースはついてなさそうだったので、駅前の高級スーパーに寄ってレリッシュを買った。これにマヨネーズを混ぜたらタルタルソースのようになる。

 このあとは当分もう出かけることはないな。年末にライヴに行くことにしているけれど、それまでは何もない。横浜で好きなサクスフォン奏者のライヴがあるとわかって一瞬行こうかと思ったけれど、宿の予約も当のライヴの予約もしなかった。

もう還暦過ぎたから連載辞めてもいいようなものだけれど、だらだらと続けさせてもらう。

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