映画館について
前にも書いたはずだけれど、何となく書きたくなったので映画館について。
多分初めて行った映画館は、近鉄のターミナル駅にあった近映大劇場だろう。小学校の半ばあたりでは、ここにゴジラを中心とした東宝チャンピオン祭りを観に行った。東映まんが祭りは系列が違うので、他の映画館だったはずだがどこだろうと思い出してみたら、そう言えば国鉄の方に天王寺ステーションシネマと言うのがあった気がするので、そこだったかもしれないが、よく憶えていない。
小学生の高学年くらいのときに、これらの大きな映画館はなくなって、アポロ劇場ができた。小さめの映画館が二つ並んでいて、最初親に連れられて、このときは多分東映まんが祭りを観に行く予定だったのだが、あまりにも混んでいたので隣に入って洋画を観た。カサンドラクロスだったと思う。
高校生くらいになると行動範囲が増えて、難波や梅田の映画館にも行ったけれど、どれがどれだったか今もあるのかどうか全くわからない。大学生になると東京に出たので、新宿や池袋の映画館に行った。新宿の映画館はどこだったか憶えていないが、池袋の文芸坐はよく覚えている。私が行ったのは地下の方で、名画の二本立てが中心だったと思う。ここでタルコフスキーやフェリーニなんかを観た。住んでいたのは区外だったので、三鷹の名画座にもよく行った。ここは四本立てだか五本立てだかで、一日中いないと全部は見られなかった。席のあるコンクリートの床が後ろの方が下がっていて見にくかったけれど、安くてたくさん見られるのがうれしかった。何も食べずにずっと観ていた。今みたいにペットボトルの飲料もなかったので、水分補給はどうしていたのか。憶えていないけれど、ウォータークーラーくらいはあったのだろう。文芸座は今もあるんだろうか。三鷹の映画館は今はもうない。
そう言えば大人になってからよく行ったテアトル梅田も無くなった。今は同じ名前で違うところにあるみたいだけれど、ロフトの地下にあった方はなくなっている。
映画館はどんどんなくなるはずだ。みんなネットで観ているから。今住んでいる町にも昔はあったらしいが、引っ越して来たときにはもうなかった。
私もなかなか映画館には行かなくなった。ひとつにはトイレが近くなっているので、長い映画は苦しいからだ。最近の映画は長いのが多くて困る。二時間以上は到底見ていられない。しかしネットだといつでも中断してトイレに立てるから観ることができる。
調べたら、最後に映画館に行ったのはもう二年も前だった。このとき観たのは、さかなのこ。これは多分梅田の高いビルのところ。この年は結構観に行ってるな。その前は、京都の名画座で観た、パンダコパンダのリヴァイバル上映。その前は、リボン。って三本だけか。その前の年は一本も観ていない。コロナの影響もあったんだろうが。その前の二千二十年は三本観ている。
十年くらい前は毎月行ってたのに。そのころ行ってた映画館は一旦なくなってけれど、違う系列の映画館が新しく入った。そうなってからは一度も行っていない。割引券あったんだけど使わなかったまま。