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ひと仕事

 朝早くからエンジェルズを見て、オータニのホウムランと勝ちを見届けた。途中で一時間ほど転寝をしたけどね。その間に打ちそうにない選手がホウムランを放っていた。

 調べたら、好きな作家の新刊がすでに書店に入っていた。発売予定日は翌日だったから、買いに行くのは来週にしようと思っていたのだけれど、これなら買いに行けるな。どうしようか。

 燃やすゴミを持って出かけた。ゴミ置き場は満タン山盛りとなっていたが、隙間を見付けて置いてきた。駅に向かって歩き、郵便局に寄った。簡易書留の受け取りがあったのだ。免許証を見せると、住所を控えさせてくださいだって。いや、住所はわかるでしょ。

 コンヴィニへ行って、支払い書を二枚発行して、レジで払った。オンラインライヴのチケットと、仕事用の書籍。

 それからまた、思い立って郵便局に行った。記念切手を買おうと思ったのだ。これも仕事用。でも、欲しいものが品切れだった。また入れておきますのであした来てください。あした来ますと言ってしまったけれど、多分来ない。

 それから駅とは反対方向に歩いて行った。中学生だか高校生だかが、自転車で歩道を走ってくる。しかも右側。道路交通法違反だね。自転車は歩行者ではない。街道につながる道に出ると、車がビュンビュン走っている。信号待ちを二回してから、商工会議所の入っている建物についた。

 少し早いけど、まあ建物自体は開いているだろうと思って、自動ドアの前に立ったら、ちゃんと開いた。中に人影はなかった。エレヴェータでのぼり、硝子戸の向こうを見たら、職員たちがみんな立って窓の方を向いていて、恐らく朝礼をやっているのだろう。私は横のトイレに入った。

 手を洗う代わりにアルコール消毒をして出て来ると、朝礼はおわっていた。中に入ると、カウンタに職員が寄ってくるので要件を告げた。商品券のセットをもらいに来たのだ。ポールはご不要でしたよね。前のがあるから。説明書と、幟と、換金伝票の綴りと、丸められたポスター。リュックに入れたけれど、ポスターは入りきらずに噛み出した。帰りは階段で降りた。途中のレストランはまだやっていないようで、人影がなかった。開店時刻も書いていない。

 少し歩いて、スーパーにやってきた。土用の丑の日が近いらしくて、鰻のセールをやっていた。私は白焼が好きなので、一瞬買おうかと思ったけれど、やはり高すぎるのでやめた。一尾だけで、私の一日の予算を超えてしまう。野菜売り場に行くと、投げ売りになっていたレタスを籠に入れた。ゴーヤの輪切りにしたのがパックにされた売っていた。値段も手ごろだったので、籠に入れた。丸だと量が多いし、手間がかかるので、こうやって売っているとありがたい。こんなの初めて見た。帰ったらすぐに塩にしておこう。

 そうこうしている間に、食料品売り場以外が空く時刻となったので、仕事で使う用の消耗品をいくつか買った。歩いて十五分ほどで行ける書店は、あと一時間くらいしないと開いていない。電車に載っていつも行っている書店に行くにはちょうどいい時刻だったけれど、最早ひと仕事した気分になっていて出かける気をなくしていた。

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