羨ましい
詐欺の被害者に対する私の感情は、同情ではなく羨望である。私はもちろん詐欺の加害者になるつもりはないけれど、被害者になることもできないからだ。何百万、何千万ときには億を数える詐欺の被害に合うためには、元々その金がないといけない。私にはそんな金がない。だからこそだろう、詐欺の犯罪者は私になど近付いてこない。
それにしても頂き女子に懲役九年というのは重すぎやしないか。被害額や被害者数が多かったり、犯罪指南をしたことが考慮されているのだろうけれど、被害者はみんな助平親爺だろう。それよりも、頂き議員たちの方が額も大きいのに、検挙もされないし税金も取られないというのは一体どういうことか。羨ましい。
ニュースを見たら、インバウンドで浮かれているけれど、あれは結局円安のせいだ。円高だったころは、日本人はこぞって海外旅行に行ったではないか。あれと逆のことが起きているだけだ。当時は私は仕事が忙しかったので行かなかったけれど、アルバイトの学生たちなんて毎年海外旅行に行っていたっけ。
今も別に日本に来ている外国人たちは、富裕層というわけではない。話によると富裕層はやはりヨーロッパなどに行っているみたいだし。日本は円安なので手ごろな価格で、ホテルに泊まったり食事したりお土産を買ったりできるから来ているのだ。円と円を比べているだけならば、確かに収入は増えているのだけれど、円自体の価値が下がっているのだから、別に増えているわけではない。
相場介入もしたらしいけれど、多分焼け石に水。日本の国力自体が落ちているからだ。それに、そんな金があるなら消費税を廃止してほしい。軽減税率というのがあるけれど、食費ですら八パーセントの税金を取られる国なんて他にない。書籍はその軽減税率さえない。多くの国では、食べ物や本には税金はかけられていない。
これらはこの国の人たちがみんなバカだからだ。選挙にすら行かない。それでも、この選挙では自民党は負けたんだから、死に体であることは間違いがない。次の選挙で政権交代は起こるんだろうか。与党も酷いが野党はもっと酷いというバカがたくさんいるけれど、本当は野党は酷いが与党はもっとひどいというのが現実だろう。
国会議員というのも羨ましい存在である。そんなに言うんならお前も選挙に出ろよという人がいるけれど、選挙に出るだけで供託金という金をぼられる国は他にほとんど聞かない。供託金が払えないだけで、被選挙権が奪われているのだから、これは憲法違反である。まあ、選挙権があっても行かない人がたくさんいるんだから仕方ないのだ。権利という漢字は誤訳だという話を聞いたことがある。利ではなく理が正しいというのだ。そりゃそうだ。けんりは与えられたものではなく、生まれながらに持っているものだ。それを捨てている人たちが多すぎるのは、多分みんな死にたがっているのだ。